クリエイティブに必要なのは「締切」
(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/channel/941/241380
伝統文化と向き合う時のお作法 | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム
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今日は「『伝統文化』との向き合い方」という話をしたいと思います。
本題に入る前にお知らせをさせてください。
お知らせ!『プペル ~天明の護美人間~』絶賛発売中!
来年1月3日〜20日に、市川海老蔵さんファミリーが総出演する新作歌舞伎『プペル ~天明の護美人間~』があります。
https://l-tike.com/play/mevent/?mid=610331
チケットは絶賛発売中です。
昨日の時点で、S1席とB席とC席が「残りわずか」となっております。
この機会に、是非です。
そして、今回の新作歌舞伎を、より深く楽しんでいただく為というか、ただ僕が喋りたいだけというか…「キンコン西野がプペル歌舞伎のストーリーを全て喋ってしまう会」(オンライン配信)を開催する運びとなりました。
ストーリーを喋るだけじゃなくて、歌舞伎制作の裏側もズケズケ喋ろうと思います。
オンライン配信チケットをお求めの方は『CHIMNEYTOWN BASE』で検索してみてください。
宜しくお願いします。
お知らせ!ミュージカル『えんとつ町のプペル』オンライン配信7100名突破!
そして、もう一つ。
ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』のオンライン配信の参加者が7100名を突破しました。
オンライン配信特典として、「脚本・演出のキングコング西野亮廣による副音声付き配信」がありまして、こちらの副音声は「オン/オフ」のスイッチが付いているみたいなので、西野の副音声が「うるせぇ」と思ったら、切ってください。
11月29日に配信があるんですけど、驚いたことにアーカイブが3ヶ月ほど残るそうなので、何度でもご覧いただけます。
とにもかくにも超絶オススメです。
オンライン配信チケットをお求めの方は「えんとつ町のプペル オンライン」で検索していただけると、『えんとつ町のプペル オンライン劇場ZA』というサイトが出てきますので、そちらでチェックしてみてください。
ミュージカル えんとつ町のプペル | オンライン劇場 ZA
https://za.theater/events/54b16102-d98f-4dc1-9013-5079c515bea5
『プペル ~天明の護美人間~』での僕の立ち位置
そんなこんなで、本題です。
今日は数少ない西野ファンの痒いところに手を伸ばす内容です。
ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』をご覧いただいた方から、「お正月の新作歌舞伎『プペル ~天明の護美人間~』では、西野さんは演出には参加されないのですか?」という質問をよくいただくんです。
皆、優しいから直接的な言葉を使わないですが、僕もファンの皆様との付き合いも長いので、この質問の意図は勿論分かっていて、きっと「西野が演出したやつを見たいんだけど」といったところだと思います。
今日は、ここについて、キチンと説明させていただこうと思うのですが、まず、今回の新作歌舞伎『プペル ~天明の護美人間~』の僕の仕事というのは、原作・脚本とプペルのビジュアルデザインです。
ちなみに、美術セットはファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』の佐藤さんで、
照明演出は、先日の武道館ライブを手掛けてくださったイジツさんなので、皆さんも、お馴染みの布陣です。
話を戻すと、僕は「原作・脚本」という立場なのですが、作品の最終決定権を持っているのは「演出家」です。
なので、演出家から「ここの台詞をカットして欲しい」「ここの展開を変えてほしい」という発注があれば、脚本家はそれに従います。
つまり、僕が演出家でない以上、僕の脚本にもメスが入ってしまうわけで、ここで「いやいや、メスが入ってないやつを観たいのよ」と思っているファンの方がいらっしゃる。
もう、「そう、それ!」という声が聴こえていますよ(笑)。
伝統文化『歌舞伎』に参加する時の作法がある
ただ、僕が原作・脚本・演出をしてしまうと、つまり僕の「好き」を100%詰め込むと、ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』のようなものが出来上がってしまって、歌舞伎というよりも、「海老蔵さんをキャスティングしたお芝居」になってしまいます。
それだと、歌舞伎に挑戦した意味がないんです。
歴史に参加した意味がない。
サグラダ・ファミリアの工事を、新進気鋭のアーティストが自分の好みを100%ブチ込んで進めてしまうと、サグラダ・ファミリアの価値は消えてしまうじゃないですか?
やっぱり、サグラダ・ファミリアって、ガウディーが描いた設計図や理念やルールの上に、超一流の技術者が、その時代その時代の最新のテクノロジーを落とし込みながら工事が進められているから価値があるわけで、ここをノールールにしてしまうと、面白くも何ともない。
これが「歴史に参加する時のお作法」だと思っています。
一方で、演出の藤間勘十郎さんや、それこそ市川海老蔵さんが、「こうしたい!」ということに対して、なんでもかんでもイエスで返すつもりは無くて、キチンと主張はしていこうと思っています。
すでに、プペルのビジュアルなんかは、そういう形をとっていて、LINE会議で、いろんな意見があったのですが、「必ずイイ感じにするので、一旦、僕に預けてください」とゴリッといって、今のビジュアルになっています。いい感じでしょ(笑)?
脚本家「西野」の希望は『ト書き』で提案
そして、もう一点。
「脚本家」の立ち位置について御説明させていただくと、作品の最終決定権は演出家にあるのですが、「脚本家が演出家に演出の指示を出すこと」があるんです。
それが、「ト書き」です。
舞台の台本には、台詞の他に、登場人物の動作を指示する「ト書き」というものがあります。
「スコップの声にリバーブ(エコー)をかけて、ムービングライトを下手から上手に移動させ、プペルとルビッチはライトの光を目で追いかけて、スコップの声が下手から上手に響いているように見せる」
とかです。
僕の脚本には、こんな感じの「ト書き」が結構入っています。
皆さんも、どんな内容になるか分かってないと歌舞伎に足を運びにくいと思うので、ちょっとオープニングシーン(ゴミ山に心臓が落ちてきて、そこにゴミが巻き付くシーン)の「ト書き」をここで共有させていただきます。
まず、「心臓役」は海老蔵さんにやっていただくように書いています。
オープニングで派手な太鼓の音と共に、真っ赤な着物を着た海老蔵さんが花道から出てきて、ステージ中央まで、走ってって、そこで舞って、その舞いに引き寄せられるように、「長崎くんち」の龍踊りのゴミバージョン(ゴミの龍みたいなやつ)が出てきて、海老蔵さんを取り囲んで、スッタモンダありまして、ゴミが巻き付いて、心臓からゴミ人間に早替えします。
「ト書き」には、「心臓の赤い着物にタイニーを仕込んでおく」と書いています。
「タイニー」というのは小型のスモークマシンですね。
花道から出てきた赤い心臓の海老蔵さんの身体から、「ONE PIECEのルフィーがギアセカンドをブチかました時に出てくるような煙」がシューっと上がっていたら、カッコイイじゃないですか?
花道を走れば、そのまま、その煙が軌跡になる。
ここには照明演出的な狙いもあって、照明って、何かに反射して、ようやく光を確認できるわけですが、この時、海老蔵心臓さんに赤い照明を当てると、海老蔵心臓さんの身体から出ているスモークに赤色がのって、海老蔵心臓さんが赤く輝いているように見える。
……といったことを「ト書き」で書いています。
このように演出プランを脚本の段階で書いていて、演出家さんに「僕の希望はこれです」と提案しているんですね。
それを演出家さんが採用するかどうかは、また別の話ですが、ここでお伝えしたいのは「脚本家が演出に参加していないわけではないよ〜」という話です。
観ていたら、「たぶん、ここは西野の演出指示が入ったところだろうなぁ〜」というのは分かると思います。
そんなことも踏まえながら、新作歌舞伎『プペル ~天明の護美人間~』を楽しんでいただけると嬉しいです。
お正月に新橋演舞場でお待ちしております。
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