新刊をどう売ればいいのか考えてみた

2026年03月14日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/channel/941/7633160

2026年に本をどう売ればいいのか真剣に考えてみた。 | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム

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昨日、Xにこのようなポストをしました。

 
X上で、「最近の出版社は、著者のSNSフォロワー数を基準に出版の可否を判断している」というポストが話題になっていたそうだ。 
それに対して、ある作家が、 「出版社も編集者も末期症状ではないか」 「それは、自分たちには著者を見抜く力も、本を売る力もありませんと白旗を掲げているようなものではないか」 と疑問を呈していた。 
なるほど、そりゃそうだ。 
 
本来、編集者という仕事は、まだ世の中に知られていない才能を見出し、それを磨き上げ、読者のもとへ届ける営みだ。 
未完の大器を見つけ、原石をダイヤモンドへと変える。 その過程こそが、出版という文化の醍醐味であったことは間違いない。 
 
しかし同時に、出版を取り巻く環境が大きく変化していることもまた事実だ。 
書店の数は減り、初版部数は縮小し、出版に伴うリスクはかつてより格段に大きくなった。 
そのような状況の中で、出版社が著者の「発信力」を判断材料の一つとして参照するようになったことは、ある意味では自然な流れとも言える。 
 
ここで、一つ考えておきたいことがある。
 
その作者からは「フォロワー数を数えるだけならAIでもできる」といった指摘があった。 確かにその通りだと思う。 
ただ、その言葉は同時に、もう一つの事実を浮かび上がらせる。 
それは、現代では、「文章を書く」という行為そのものも、すでにAIが担える領域に入りつつあるということだ。 
 
もちろん、人間の文章がすぐに価値を失うわけではない。 
しかし少なくとも、「文章技術」や「情報の整理能力」は、その価値の多くを失ったことは明らかだ。 
 
最後に残ったのは「作者の人格や思想」だった。 
作者が何を信じ、どのように世界を見ているのか。 
どのような姿勢で日々を生きているのか。 
 
そうした輪郭こそが、〝これまで以上に〟作品の価値を支える中核になりつつある。 
 
そして、その輪郭を社会に可視化する装置として機能しているのがSNSなのだろう。 SNSは単なる宣伝媒体ではない。
むしろ、そこに積み重ねられているのは、その人の思考や態度の履歴、言い換えれば「人格のログ」だ。 
読者は、その断片を読み取りながら、「この人の言葉を、もう少し深く読んでみたい」と感じる。 
 
ちなみに、僕の知る限りでは、2026年現在「SNSのフォロワー数」という数字だけを鵜呑みにして判断する編集者はほとんど見かけない。 数百万人のフォロワーを抱えるタレントやインフルエンサーの書籍が不発に終わった現実を、業界はすでに何度も経験してきたからだ。 
 
時代が変われば、出版社も編集者も、新しい出版の形を模索しなければならない。 
が、それは作者も同じことだ。
「SNSのフォロワー数で決めるのは浅い」という主張は理解できるが、しかし、それは同時に、 「だからSNSで発信しなくてもいい」 という結論にはつながらない。 
今は、作品だけでなく、その背後にある思想や人格までもが読まれる時代なのだと思う。 
 
 

背景には、最新刊『北極星 〜僕たちはどう働くか〜』がある

 
長々と書きましたが、まとめると以下の通りです。
 
・著者のSNSフォロワー数を基準に出版の可否を判断している最近の出版社に対して、「出版社として、その姿勢はどうなの?」という疑問を持つ気持ちは理解できる。
 
・とはいえ、時代が変わり、出版社のリスクも大きくなったので、「SNSのフォロワー数」を判断基準の一つにする出版社の気持ちも理解できる。
 
・ちなみに、僕としては、出版社が「SNSのフォロワー数だけで判断している場面」を(少なくとも今は)見ていない。肌感としては10年ぐらい前にあったようなイメージ。
 
・「フォロワー数を数えるだけならAIでもできる」といった指摘がある一方で、 現代においては、「文章を書く」という行為そのものも、すでにAIが担える領域に入りつつあって、結局は「著者の人格」が本の価値の多くを占めている。
 
・著者の人格を知っていただく為にはSNSの発信も必要で、結局は、今の時代に合った届け方を探るしかない
 
 
…といったところです。
 
このポストをした背景には、やっぱり、最新刊『北極星 〜僕たちはどう働くか〜』があります。
 
一昨日発売となった本書は、ありがたいことに現在【12万部】を突破しております。
 
この本を届ける為に、本屋さんや出版社さんを始め、本当にいろんな方が汗を流してくださっているのを目の当たりにしているので、どうしても僕は「本を売るのは出版社の仕事でしょ。本屋の仕事でしょ」とは言えません。
 
僕ができることは僕がやって、SNSのフォロワーを増やした方が有利に働くのであればSNSの発信に力を入れてフォロワーを増やしに行くし、とにかく「皆で本を届ける」という姿勢が大事なのかなぁと思います。
 
 

どうやったら、『北極星』がもっとたくさんの方に届くか?

 
そんな中、昨日の帰り道に「どうやったら、『北極星』がもっとたくさんの方に届くかなぁ?」と考えてみたのですが、一つ面白そうなアプローチを思いつきました…というか、思い出しました。
 
なんか、せっかく「Voicy」を毎日やっているので、これを利用した方が良いと思っていて…来週月曜日から、『北極星 〜僕たちはどう働くか〜』のページをめくりながら、毎日解説していこうかと思います。
 
「ここには、こういう意味があって〜」とか、あとは実例や補足情報など、本には書かれていないことを交えながら。
 
つまり、『北極星』を「西野さんの朝礼の教科書」にしてしまう。
 
結局、普遍的に売れている本となると、「教科書」や「参考書」や「辞書」になってくるので、そのポジションをとりにいこうかと思いました。
 
というわけで、皆様、来週の月曜日までに『北極星』をゲットしておいてください。
 
作品を届ける為に、あの手この手を考える西野でした。
 
 

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