日本とアメリカの働き方の違い(舞台編)

この記事は、2025年6月20日のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の内容をもとに作成したものです。
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オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では毎日2000文字程度のメルマガを配信しているのですが、今日は以前オンラインサロンに投稿した記事を一つピックアップしてご紹介したいと思います。
日本とアメリカの仕事の進め方の違い(※演劇の場合)
日本とアメリカを行ったり来たりしている西野が今日は「日本とアメリカの働き方の違い(舞台編)」についてお話したいと思います。
結論から言うと、どちらにも「良いところ」と「悪いところ」はあって、トータルで見ると、僕個人的には「アメリカの働き方」の方が(こと舞台制作において)は良いものを生みやすいと感じています。
日本の場合
今朝のVoicyでもお話しさせていただきましたが、日本では「役者は『待つ』のも仕事」という考えが根強くあり、「待たされて、待たされて、待たされて…結局、直前になってスケジュールがバラシ」ということが珍しくありません。
いつでも出動できるようにスタンバイしているものの、その間(スタンバイ中)は当然のように「ギャラ」は支払われませんし、稽古直前(たとえば3日前)になって突然召集がかかり馳せ参じたとしても当たり前のように「ギャラ」が支払われません。
「舞台はそういうもの」「役者はそういうもの」で押し通していて、そこに役者が異を唱えようものなら「面倒な役者」認定され、「今度からはキャスティングしない」という扱いを受けてしまうこともある。
労働者として当然の主張をしても、ヤンワリと干されてしまうのが日本の芸能界で、「雇う側」が力をもっており、クリエイティブは雇う側の都合で進められます。
アメリカの場合
一方でアメリカはユニオン(※役者さん達を守る労働組合)が強いので、たとえばリーディング公演(本読み公演)一つとっても、事前に「何時間稼働させるのか?」「何をさせるのか?」の契約を細かく結びます。
日本でよくある「家で覚えてきてね~」や「家で練習してきてね~」はアメリカでは時間外労働にあたり、契約違反です。
ぶっちゃけ稽古なんて、始めてみないと分からないことだらけですが、それでも役者さんの稼働時間は「秒単位」で区切られてしまうので(※ストップウォッチを持ったユニオン側の人が稽古に立ち会っているので)、役者さんとの顔合わせ前に、先々の稽古スケジュールを秒単位で決めなければなりません。
そして「決めた中で、やりきる」しかありません。
どっちが良いの?
比較的、ディレクター(演出家)に自由がある日本に対し、アメリカのディレクター(一部の超売れっ子を除いて)は制約の中でやりくりするしかないわけですが、この二つの両方を経験した僕からすると、制約だらけのアメリカの仕事の進め方に一票です。
というのも、クリエイティブの現場においては、「自由が多ければ良いものが生まれる」とは限らないからです。
むしろ、俳句や短歌、盆栽に代表されるように、制約があるからこそ発想の限界を超え、より高いパフォーマンスを発揮できることが少なくない。
たとえば、ミュージカル『えんとつ町のプペル』のアメリカでのリーディング公演では、「衣装の使用禁止」「小道具の使用禁止」という厳しい条件のもとで、挑戦者を監視し圧力をかける『異端審問官』を表現しなければなりませんでした。
当然ながら、「私は異端審問官です」と台詞で説明するわけにもいかず、試行錯誤の末にたどり着いたのが、挑戦者から光を奪う「同調圧力」のメタファーとしての『スルト』という煙の姿をした人間の創造です。
煙のように揺らめく身体の動きによって、その動きをする者を『スルト(旧・異端審問官)』としたわけです。
そして、その制約の中で生まれた『スルト』は、この夏、日本で上演されるミュージカルにも登場します。
まさに、制約こそが新たな創造を導いた好例といえる。
自分の想像の外側に連れていってくれる「制約」がある上に、スケジュールを事細かく切っているので、「予算の無駄遣い」が圧倒的に少ない。
一方でニューヨークは鬼のような物価高で、人件費もバカ高いので、そこに吸い取られる予算はありますが、アメリカのスタイルを(いろいろと安い)日本に持ってくることができたら、良いとこ取りで強いよなぁと思うオイラです。
#ひろゆき
こうして比べてみることで、自分達の現在地がよく見えてくることがあるので、「いろんな場所で働く」というのは大事っぽいです。
現場からは以上です。
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