個人的な物語



(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/channel/941/6688346
お金の取り方、払い方 | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム
https://voicy.jp/channel/941/6688346
「何やってるの!」と叫びたくなる経営者さん・プロデューサーさんが時々いて…
「そんなところでお金をとったら、あなたが損するだけでしょ」という話をさせていただきます。
映画やら、ミュージカルやら、イベントやら、お店やら、商品開発やら、ブロードウェイ作品への出資やら、とにもかくにも、いろんな仕事をさせていただいておりまして、いろんな経営者さんやプロデューサーさんにお会いする機会が多いのですが、本当に「何やってるの!しっかりしなさいよ!」と叫びたくなるような経営者さんや、プロデューサーさんが時々いらっしゃいます。
それは、「お金の取り方と、お金の払い方が下手な経営者やプロデューサー」です。
それが冒頭申し上げた「そんなところでお金をとったら、あなたが損するだけでしょ」なのですが、とにもかくにも「お金の取り方」と「お金の払い方」が下手な経営者やプロデューサーって、いちいち杓子定規で、決められたルールの上でしか動けないんです。
「こちらのサービスは○○円です」「これをやる場合は、売上の○○%を入れていただきます」という感じで。
「こちらのサービスは、本来は○○円なのですが、御社に使っていただくことは、このサービスの宣伝になりますので、今回は無料でいいです」みたいな判断ができないんです。
「ルール上はそうだけど、ここは例外として認めた方が、トータルの取り分が大きくなるよね」という思考がまるで無い。
そもそも「ルール」というものは自分で考えて行動することが苦手な人の為にあるものであり、「ルール」というものは、そこに参加するAさんBさんCさんDさんEさんの最大公約数なので、AさんとBさんだけで仕事をする場合の最適解じゃないんです。
たとえば、DさんとEさんが喫煙者だった場合、AさんBさんCさんDさんEさんが参加するゲームでは「ここは禁煙です」「喫煙スペースはあちらです」みたいな看板が必要ですが(看板の制作費がかかってしまいますが)、AさんとBさんとCさんしか参加しないゲームだと、その看板を用意してしまうのは全く無駄でしょ?
経営者やプロデューサーは「ルール上は禁煙看板を立てることになってるけど、今回は喫煙者がいないから、禁煙看板は要らないよね」といった判断をしなきゃいけない。
ルールに従うだけなら、経営者やプロデューサーは要らないのだから。
お金を払う時も同じです。
このあたりは田村Pが上手いんだけど、エンタメっていつだって潤沢に予算があるわけじゃない…どころか、いつもカツカツなんです。
なのでクリエイターさんに「すみません。今回はこれぐらいの予算しか用意できず…」と頭を下げて、どうにかこうにか協力していただくということがよくあるのですが、それでも時々、予想外に売上が出たり、大型の案件が入って、潤沢に予算がある時があるんです。
本当に、時々。
その時は「いつもは無理をさせてしまっているから、今回は多めに払わせていただく」という判断をするのが良い経営者であり、良いプロデューサーなのですが、時々、「いやいや、ルール上、この仕事の金額は○○円ですので」としてしまう経営者やプロデューサーがいるんです。
普段、無理をさせているのに!
「『持ちつ持たれつ』ではなくて、『持たれつ持たれつ』の経営者やプロデューサーのお願いを、この先、誰が聞くねん」という話で、仕事相手は全員「人(感情で動く生き物)」なので、こういう局面でも「ルール」を持ち込む人間はことごとく爪弾きに合います。
クリエイティブの世界では特に。
クリエイターさんの守り方を間違えないで欲しい
なぜ、こんな話をしているかというと、これはもうご本人が聴いていたら、ソッコー対応していただきたいのですが、以前、とあるクリエイティブチームから「自分達で美術セットや衣装を用意して『えんとつ町のプペル』の写真を作りたい」という打診があったんです。
美術さんや衣装さんだけでなく、モデルさんも皆、無償(持ち出し)で。
そういったことに『えんとつ町のプペル』が使われるのは嬉しいし、そのアートワークが一人でも多くの方に見つかって、そのプロジェクトに参加されたクリエイターさん達の次に繋がるといいなぁと思って、応援の意味も込めて「どうぞ、使ってください」とIPを無償で提供したことがあったんです。
そこで出来上がった『えんとつ町のプペル』のアートワークがとっても素敵で、これはたくさんの人に見られた方がいいし、なんなら海外の関係者にも見つかった方がいいと思って、今年の夏のファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』のメインビジュアルにさせていただくことを打診したところ、「この写真を使うのであれば、○○円いただきます」と、かなりのお金を請求されたんです。
いろいろバグっててビックリしちゃったのですが、おそらく、そのカメラマンさんが普段撮られている写真の使用料の相場を言って来られたと思うんです。
でも、こんなことを僕が言うと少しカドが立ちますが、「マジで、どこからお金をとっとんねん」という話で、結局、その写真をメインビジュアルで使う話は流れちゃったんです。
そこで大きなお金を取ることにしてしまうと、クリエイターさんが持ち寄って仕上げたアートワークはもう世に出ないわけで、そのプロジェクトに参加したクリエイターさんが流した汗が無駄になってしまった。
そのプロジェクトに参加したクリエイターさん達は本当にこの展開を望んでいたのかなぁ?
「パブリックドメインにしろ」とは言いませんが、せめて、そこに参加したクリエイターさん達は自由に使えるようにしてあげないと、ボランティアで参加したクリエイターさん達がかわいそう。
ルールを守ると、こういうことがあります。
繰り返しますが、経営者やプロデューサーの仕事は「ルールを守ること」ではありません。
経営者やプロデューサーの仕事は「取り分を最大化すること」です。
クリエイターさんの守り方を間違えないで欲しいし、その撮影に参加したモデルの男の子のお母さんはきっと、まだ小さい我が子のその瞬間を残したいと思って、ボランティアで参加されたと思うんです。
そういうお母さんの気持ちに寄り添ってあげて欲しいなぁと思いました。
▼待望の続篇『#映画えんとつ町のプペル約束の時計台』2026年春公開決定記念!
/
西野亮廣エンタメ研究所
入会初月無料キャンペーン実施中‼️
\
西野亮廣の挑戦をリアルタイムで
もっと応援したい方はこちら!
■2025年4月15日(火)〜5月31日(土)
▼「西野亮廣エンタメ研究所」初月無料キャンペーン
https://salon.jp/campaigns/detail/a0181743-5d53-4b81-983b-be76b8c3c709
【注意事項】
※キャンペーン特別ページからエントリーが必要です。
キャンペーンページを経由せずにご入会された方は初月無料になりませんのでご注意ください。
\公式LINEができました/
▼西野亮廣 公式LINEはコチラ↓
https://lstep.app/bew62ko