日本の劇団がビジネスマンを雇った方がイイ理由

2024年09月02日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/channel/941/6034773

日本の劇団がビジネスマンを雇った方がイイ理由 | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム

https://voicy.jp/channel/941/6034773

 
 

舞台関係者さんは「ビジネスマン」と距離を置きがち

 
今月19日に東京・目黒にあるパーシモンホールでバレエ『えんとつ町のプペル』がありまして、こちらはCHIMNEY TOWNが運営する公演ではないのですが、先々週あたりから主催者さんの方から「色々と苦戦しています」という相談を受けております。
 
日本のバレエ団の皆さんに前から言っているのは、「元バレエダンサーだけでカンパニーを切り盛りしようとせず、ちゃんとビジネスのプロを入れてください」で、これはプペルバレエにも同じことを繰り返し言っています。
 
近いところでいうと、俳優で演出家の高橋伊久麿さんが来年の年明けに『ホンジツ島のマジックアワー』というミュージカルを控えていらっしゃって、時々相談を受けることがあるのですが、そこでもやはり「チームにビジネスのプロを入れましょう」的な話をさせていただいています。
 
僕のVoicyでもこの手の話を結構させてもらっているのですが、「いつも聴いています!」と声をかけてくださる劇団員の方でも、やはり俳優同士(あるいは俳優と演出家)で劇団を切り盛りして、そこにビジネスのプロを入れようとする動きはあまり見られません。
 
伊久麿さんは最近「なるほど、そういうことか!」と理解してくださって、ビジネスのプロを入れる方向で動かれていますが、基本、舞台関係者さんは「ビジネスマン」と距離を置きがちです。
 
おそらく、「チームにビジネスマンを招いた方がイイ本質的な理由」を理解されていなくて…でも、たったそんなことで素晴らしい劇団や、素晴らしい作品が消えてしまうのはあまりにも悲しいので、そこそこ鼻につく話をさせていただきます。
 
 

餅は餅屋、ビジネスまわりはビジネスのプロにお任せする

 
チームにビジネスのプロを入れた方がいい理由は二つあります。
 
一つ目は全員の予想通り「お金まわり」や「集客まわり」の管理です。
 
演劇部や演劇の学校ではこの部分は絶望的に教えてもらえなくて、なので日本の舞台まわりの人達は今でも超アナログで、変な広告を打って、強烈にお金を溶かしたりします。
 
たとえばグッズ一つを作るにしても、「原材料のコスト」「製造コストの最適化」「労働コストの管理」「流通コスト」「設備投資の管理」「在庫コスト」「外注コスト」「価格交渉」「そもそものニーズ調査」…などなどビジネスの基本のキをそこそこ後回しにして、「こんなグッズがあったら素敵じゃなーい?」みたいなノリで作っちゃったりする。
 
「キャッシュフローまわってる?」と質問しようもんなら、「出た!意識高い系の横文字!」とイジリ始める始末で、田舎のクソガキもいいところ。
 
ビジネスには人の命がかかっていて、お金がまわらなくなって自殺しちゃう人だって全然いるので、ここは真面目に向き合った方がイイ。
 
僕は「谷桃子バレエ団のYouTubeチャンネル」が好きで、特に芸術監督の髙部さんのお人柄が本当に好きなんですが、動画の中で、バレエ団のお金まわりの話になった時に髙部さんが「私が芸術監督を降りて、お金集めをしなきゃいけないのかも」と話されていたのですが、あれは間違っていて、髙部さんが今からビジネスを始めてもビジネスのブロに食われて終わりです。
 
髙部さんがやらなきゃいけないことは、引き続きクリエイティブに集中して、その上で、ビジネスのプロをチームに招いて、餅は餅屋で、ビジネスまわりはキチンとビジネスのプロにお任せすることです。
 
 

「投資家」や「スポンサー」や「パトロン」にアクセスする為の「コミュニケーションツール」

 
ビジネスマンを入れた方がいい理由の一つ目は皆さんの予想通りだったと思うのですが、大切なのは二つ目です。
 
「なんで西野はしきりに、劇団にビジネスマンを入れろ!入れろ!と言っているんだ?」の答えなんですけど、バレエを作るにしても、ミュージカルを作るにしても、とにかくお金がかかるんですね。
 
ステージセットなんかを作り込んでしまうと、とてもチケット売り上げやグッズの売り上げだけでは賄えません。
 
そうした時に「チケットやグッズ以外の収入」が必要になってくるわけで、ブロードウェイの場合だったら、ここは「投資家」で、日本の場合だったら「スポンサー」や「パトロン」になってきます。
 
で、これが結論なんですけど、「投資家」も「スポンサー」も「パトロン」も、この人達は全員ビジネスマンで、そして、この「投資家」や「スポンサー」や「パトロン」になるビジネスマンにアクセスできるのも「ビジネスマン」なんです。
 
俳優さんやバレエダンサーさんの知り合いに「投資家」や「スポンサー」や「パトロン」ってあんまりいないので、その状態でスポンサーを募っても、そもそもスポンサーに情報が届いていないので、スポンサーは集まらないんです。
 
スポンサーってSNSで集めるものじゃなくて、直接営業が基本なので。
 
すっごい生々しい話をすると、チームに招くビジネスマンは、「投資家」や「スポンサー」や「パトロン」にアクセスする為の「コミュニケーションツール」なんです。
 
ブロードウェイはこのあたりはガッチガチで、「あの人にお金を出してもらう為に、この人をチームに入れておこう」の世界線です。
 
元バレエダンサーだけでバレエ団を作ってしまったり、舞台俳優だけで劇団を作ってしまうと、この部分で必ず詰むんですよね。
 
「こんなことぐらい小学校で教えてやれよ」という話なのですが、それを教えないのが日本なので、日本の教育に絶望するところはキチンと絶望して、今から対応できるところは対応していくのがイイと思います。
 
舞台屋さんは一旦、今のBリーグを見習った方がいいと思います。
 
日本のスポーツエンタメシーンはBリーグが勝つのはほぼ確で、勉強になることはたくさんあると思います。
 
偉そうにすみません。
 
皆さんの挑戦が明日も明後日もずっと続くことをハナミズキレベルで願っています。
 
 

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