業界の疑念が180度覆った! 西野亮廣はなぜ「1年後のチケットをどんどん売る」ことができるのか?
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「商業映画」と「アートフィルム」 | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム
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初期の『ボトル・ジョージ』はセカンドチャレンジの物語だった
昨日は現在制作中の短編アニメーション作品『ボトル・ジョージ』のトークショーがありました。
ほとんどの方が「ボトルジョージって何?」という状態だと思うので、ザックリとした内容を説明させていただくと…始まりは、元々ピクサーでアートディレクターをされていた堤大介さんが立ち上げられたアニメーションスタジオ『トンコハウス』さんが2019年に開催されたトンコハウス映画祭です。
その映画祭にゲストで呼ばれて、そこで堤監督と1対1でジックリと喋って、そこで意気投合して、そのあと二回ぐらい呑みに行かせていただいて、「なんか一緒に作りたいっすね」という話になったんです。
せっかくの出会いを口約束で終わらしたくなかったので、一緒に呑ませてもらった次の日から「堤さんと僕で一緒に作るべき物語って何だろう?」と考え始めて、あれやこれや考えているうちに出てきたのが『ボトル・ジョージ』というお話でした。
元々は(初稿の段階では)セカンドチャレンジの物語だったんです。
堤さんも僕も、もっと高みを目指して人生のセカンドチャレンジに踏み切った人間なので、「そこが共通項だろう」と。
そんなこんなでファーストチャレンジに失敗して、お酒に逃げて、お酒を呑んで呑んで、ついにはお酒に呑まれてしまい、ウイスキーボトルの中に入っちゃって出られなくなった男の話を書いたんです。
「ウイスキーボトルの中から出られなくなった男の逆転劇」の物語ですね。
そこには「石畳の上でウイスキーボトルを転がすと、面白い跳ね方したり、面白い音が鳴りそうだなぁ」という演出的な下心もありました。
このラジオを聴いてくださっている皆さんにも『ボトル・ジョージ』の共犯者になっていただきたいので、もう少し詳しく“初期の”ストーリーをお話しさせていただくと、僕が最初に描いたのは「ジョージ」というランナーの物語だったんです。
ジョージが住んでいる街では、毎年、坂道マラソンが開催されていて、ジョージはその坂道マラソンのチャンピオンで、街の人気者だったんです。
ところが、ある時、事故に遭ってしまって、昔みたいに走れなくなってしまったんですね。
走ることを奪われたジョージの周りからは人が一人減り、二人減り、ついにはジョージは一人ぼっちになって、そこで酒に溺れます。
そして、気がついたら、ジョージはウイスキーボトルの中にいて、そのウイスキーボトルの中で、誰とも接触せずに暮らしていました。
そんなある日、「チャコ」という女の子と、ふてぶてしいネコがボトルの中に入っている小人のジョージを見つけて、面白がって家に持ち帰っちゃうんです。
ジョージはあの手この手で家から逃げ出そうとしますが、その最中に、チャコが親のいない孤児だということを知って、逃げ出すことを辞めて、チャコの近くにいることに決めます。
そこから、ボトルジョージとチャコと猫の三つ巴のスットンキョウな生活が始まり、気がついたらジョージと、チャコ&ネコの距離が縮まったんですね。
その気持ちに気がついたジョージは、チャコとネコが眠っている間に家を出ちゃって、また公園や路地裏で過ごし始めます。
何故、そんなことをしたかというと、ジョージは過去に大好きだった人達が離れていく経験をしているので、あんな思いはもう二度としたくなかったんです。。
要するに距離を縮めれば縮めるほど、愛を深めれば深めるほど、別れた時のショックは大きくなるから、チャコと距離を縮めきる前に別れることを決めたんです。
そこから、ジョージとチャコはまた別々に暮らすわけですが、ある時、あの猫がジョージのところにやってきます。
そこでネコから「チャコが酷い熱で倒れていること」を聞くんです。
病院に駆け込んでお医者さんを呼ぼうにも、ネコは普通の人間とは喋れませんから、今、チャコを助けられるのはジョージしかいない。
そして、病院は坂の上。
ジョージはボトルの中です。
ここからはクライマックスですね(笑)
走ることを捨てたジョージが、チャコの為にもう一度走り始めます。
ただでさえ足は悪いのに、コロコロ転がるボトルの中だし、しかも登り坂。
初期の『ボトル・ジョージ』は、そんなセカンドチャレンジの物語だったんです。
『えんとつ町のプペル』と『ボトル・ジョージ』それぞれの向き合い方
短編アニメーションで、自分としてもコンパクトにまとまった明快なストーリーだなぁと思っていたんですけども、作っているうちに、「あれ? コッチでいいんだっけ?」という気持ちになってきたんです。
堤監督に影響されたのかもしれません。
なんか、70点は取れそうだけど、100点は取れなさそうな気がしたんです。
「いい話だったね」で終わりそうな気がした。
そこから堤監督と、そしてドワーフの松本さんと、アレやコレやとつめていくうちに、作品は徐々に「依存症の恐怖と、依存症になった人を支える家族の物語」の方に進んでいきました。
少し難解で、そして重いテーマの方に転がったんですね。
これ、前までの僕だったら多分反対してたんです。
多くのクリエイターさんは「商業作品(お客さんを劇場にたくさん呼ぶことを前提として作られる作品)」をバカにする傾向がありますが、僕、そもそも「商業作品」が好きなんです。
加トちゃんケンちゃんにしたって、とんねるずにしたって、ダウンタウンにしたって、ジブリにしたって、パイレーツオブカリビアンにしたって、なんならラッセンにしたって…商業作品が無かったら、子供の頃の僕はエンターテイメントの世界に興味を持っていなかったので。
そして、きっとこの世界に入っていなかったので。
だから、作品が難解な方に進むことを強く拒んでいたと思うんですが、僕、この裏で『えんとつ町のプペル』の続編も作ってるんです。
こちらは最初から最後までファミリーエンターテイメント(商業作品)に全振り。
そっちがあるので気持ちがスッキリと割り切れて(昇華されて)、「ファミリーの皆様はプペルを観てください。そして、ボトル・ジョージはもう少しよく分からないところに挑戦させてください」と言いきれる。
こういうとプペルは「お客さんに合わせにいっている」という風に受け止められてしまうと思うのですが、そうじゃありません。
「ハッピーエンドの大ファンタジーの大冒険活劇でお客さんを大ブッちぎる」といった感じです。
今日は「こんな気持ちで、『えんとつ町のプペル』と『ボトルジョージ』と向き合っています」という話でした。
武道館でやるライブも、ロフトプラスワンでやるライブもどっちも全力で、それぞれの面白みがあると思うので、そのあたりを共有していけると嬉しいです。
キングコング西野亮廣原案、短編アニメーション『ボトルジョージ』の製作を発表
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000097599.html
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CHIMNEYTOWNのホームページを、
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【注意】
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