「引き出しの数」と「無視する力」がモノを言う

2023年01月28日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/channel/941/463131

「引き出しの数」と「無視する力」がモノをいう | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム

https://voicy.jp/channel/941/463131

 
 
舞台『テイラーバートン』を二日間しか公演しない理由

 
タイトルで、内容の全てを語っちゃっていますが、めげずにお話ししたいと思います。
 
昨日の放送でお伝えしましたが、今年の夏に宮迫博之さんと『テイラーバートン』という舞台をお届けすることになりました。
 
今回はミュージカルではなくて、歌無しのストレートプレイです。
 
特異な点は、二日間しか公演しないことです。
 
まぁ、もちろんオンライン配信はありますが。
 
もちろん、若手の劇団なら、集客の問題から「二日間公演」というのもあったりしますが、僕らが二日間しかやらない理由はそこじゃなくて、まぁ、今日の本題にもかすりますが「演劇の可能性(選択肢)を探る為」です。
 
「二日間しかやりたくない」ということじゃなくて、本番二日間だけで役者さんが食っていけるモデルを構築できれば、コロナのリスクも軽減できるし、役者さんの体調管理のことや、そして、役者さんのスケジュールにゆとりが生まれることによって、新しい出会いの数を増やせることなど、色々とイイコトがあるなぁと思って、今回、こういった挑戦をしてみることにしました。
 
そして、昨日の放送でもお話ししましたが、「まぁ、二日間の公演だしね」というような舞台を作るつもりは1ミリもなくて、「いや、このキャパで、二日間で、どうやったら、こんなものができるのよ!」というモノを作る気マンマンです。
 
もちろん「稽古代」も出した上で。
 
業界関係者の方は、オンライン配信でもいいので、必ずチェックしておいてください。
 
 

業界の悪しき習慣にメスを入れ「食える業界」に

 
プロですので、当然、やるからには業界関係者もろとも圧倒するつもりでやりますが、それとは別で「こういう方法がありますよ」という提案でもありますので、好き嫌いはこの際おいておいて、選択肢を増やす気持ちで観ていただけると嬉しいです。
 
これに関しては嘘偽りない僕の本音で、僕、芸人や役者の呑み友達が多くて、彼らの家族の顔も知っているもんですから、やっぱり「食える業界」であってほしいです。
 
よく、僕の友達が同じく業界関係者から「西野さんって、どうやってんの?」と探りを入れられているのですが(笑)、余計な探りを入れるぐらいなら、一度、観てください。
 
そして、僕、聞かれたら全部答えるので。
 
絵本業界にお邪魔した時も、映画業界にお邪魔した時も、演劇業界にお邪魔した時も、いつも同じことを思うのですが、とにかく運営サイドの取りこぼし(勉強不足)だらけで、そのシワ寄せが弱い人にいってしまっているのが、すごく残念で残念で。
 
どう見ても、「なんとかできる問題」なのに、なんとかしていない。
 
これはやっぱり良くないので、今回も業界の悪しき習慣にメスを入れつつ、宮迫博之を勝たせに行こうと思います。
 
『テイラーバートン』は制作過程からガンガン共有していって、そして、制作過程で販売できるものは販売して、チケット&グッズ以外の収益源を積極的に作っていこうと考えています。
 
もっとも、これは『テイラーバートン』から始まったわけではなく、僕が仕掛けるエンタメはずっとこの方法でやってまいりました。
 
 

「会議で売り上げを作る」選択肢もある

 
『テイラーバートン』に関していえば、まず最初に仕掛けたのが、『予算会議のオンライン配信』です。
 
昨日、『予算会議のオンライン配信』のチケットの販売を開始したのですが、すでに600名の方が参加してくださっています。
 
「制作の裏側を共有する」ということなので、生々しい話をすると、配信チケットは500円なので、600人だと、売上は30万円です。
 
Facebookを使っておこなうので、経費として消えるのは、ECサイトの販売手数料ぐらいです。
 
スタッフには「予算会議のオンライン配信チケットを1000枚は売ろう」と伝えています。
 
つまり、「予算会議で50万円の予算を作ろう」ということですね。
 
で、これは実現できると思います。
 
多くの人は「会議で売り上げを作る」ということを考えないのですが、覗き見ニーズがある会議というのは明らかにあって、とくに、経営者的には「どこの予算を削って、どこに予算を投下すると、どんなものができあがるのか?」は知りたいところだし、今回の場合だと、「これから舞台を作ろうとする人」のニーズは明らかにある。
 
専門学校の机上論とはワケが違って、本当に動くお金の話をするのだから。
 
舞台を作る人間からすると「50万円」というのは本当に大きなお金で、これが「予算会議」で作れるんだったら、願ったり叶ったりなハズなんです。
 
ただ、これに再現性があるかというと、僕は、あまり無いと思っていて、「予算会議」にここまでのニーズがあるのは、自分で言うのもアレですが「西野が予算会議に参加しているから」というのは大きいと。
 
つまり、「予算会議」をオンラインで販売するのであれば、「予算会議」の参加者も重要になってくる。
 
「予算会議のチケットを売る為のキャスティング」ですね。
 
そう考えると少し難易度が高く感じますが、でも、「勉強で(見学として)参加したいキャスト」はいると思います。
 
そのあたりを上手く設計して、ウィンウィンの関係が築けると最高ですね。
 
今回のお話は「予算会議も売れるから売りなさいよ」という話ではなくて、チーム状況次第では「予算会議で予算を作る」という選択肢も生まれるので、これまでの業界の慣わしをイイ感じに無視しながら、とにかく選択肢を増やすことが大切だと思います…というお話でございました。
 
先々、予算会議でどれぐらいの予算が生まれたかも、共有させていただきます。
 
 

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