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組織を機能不全にする恐ろしいマニュアル | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム
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今日は『組織を機能不全にするマニュアル』というテーマでお話ししたいと思います。
世界における「日本」の位置って、すっごく微妙
僕は、アニメーションを作ったりだとか、ミュージカルを作ったりしているので、いろんな国の方とお仕事をご一緒させていただいたり、あるいは、いろんな国(主にアメリカ)に住んでいる日本人の方とコミュニケーションをとらせていただく機会があるのですが、彼らと喋っていると見えてくる「日本」の位置って、すっごく微妙で、20〜30年前と違って、全く相手にされていない一面もあれば、「日本文化、大好きっ!」という一面もあったりします。
先月は、ニューヨークでミュージカル『えんとつ町のプペル』のリーディング公演があったのですが、そこに振付師の「エレノア」が観に来てくれて、公演終わりで一緒に飲んだんです。
「エレノア」というのは、ブロードウェイの若手No.1の振付師で、今年のトニー賞にノミネートされた作品のうち2つぐらいは、彼女が手がけたものだったと思います。
そんな彼女と飲んでる時に、突然、「ちょっと、これ見て!」と言って彼女が上着を脱ぎ出して、肌を出して、僕、一瞬慌てちゃったんですけど、見てみると、「日本漫画」のタトゥーを入れてるんです。
エレノアは大の日本ファンで、「日本に行きた〜い!」という人だったんです。
そんな感じで、海外に出てみると、日本文化が一部で凄く愛されているなぁという場面によく出くわします。
ただ、深く愛されてはいるが「マイノリティー」であることは間違いなくて、食で例えると「パクチー」ぐらいの位置かもしれません。
なかなか主食に踊り出ることはない…といった感じです。
良くいうと「勿体ない」、悪く言うと・・・
ただ、日本の文化が「魅力」を持っていることは間違いなくて、それもあって、彼らと話をしていると、いつも「勿体ない」という言葉が出てくるんです。
「せっかく良いものを持っているのに、それを出さないなんて勿体ない」という意味です。
ただ、この言い回しって、かなり僕に合わせてくれた言い回しだと思うんですね。
ミュージカル『えんとつ町のプペル』のリーディング公演に参加してくれたキャストや、観に来てくれた関係者が、僕に向かって「日本ってオワコンですね」とは絶対に言わない。
やっぱり彼らはリスペクトを持って接してくれるんです。
なので、お酒が進んで、日本の話になった時に(エレノアとじゃなく)、僕は、ポジティブな表現とネガティブな表現の両方を聞くようにしています。
「良くいうと〇〇、悪くいうと〇〇」みたいな感じです。
それで、“良くいった場合”が、「せっかく良いものを持っているのに、それを出さないなんて勿体ない」です。
「あなたには才能があるのよ」といったところでしょうか。
で、「悪く言うと?」と聞いた時の答えが、まぁ、要するに彼らが抱いている日本のイメージが、ちょっと酷すぎて、だけど核心をついていて笑っちゃったんですけど、
「何も生み出さない高齢者か、高齢者のような若者が、延々と話し合っている島」
です。
これを言われて「ムッ」とした人がいたら、それはおそらく「図星」だからで、少なくとも僕は「その通りだな」と思いました。
「組織を機能不全にするマニュアル」に日本は完全にやられてる
そういえば、昨日、Facebookで回ってきた「アメリカのCIAが敵国に送り込んだスパイに渡した『敵国の組織を機能不全にするためのマニュアル』」というのが本当に面白くて、
どんな内容かというと…
・スピーディーに物事を進めてしまうと先々問題が発生するので「懸命な判断をすべき」と注意深さを促して、道理をわきまえた人のフリをする。
・重要でないものの「完璧な仕上がり」にこだわる。
・会議では長いスピーチを頻繁に行う。主張のポイントを説明するのに、個人的な経験や逸話を豊富に盛り込む。
・許可・確認など、あらゆる手続きを複雑化する。
・関係のない話題を頻繁に持ち出す。
などなど。
これ、さすがスパイだけあって、お上手なのが、一見「前向きな提案」なんですね。
「重要でないものの『完璧な仕上がり』にこだわる」とか。
「スピーディーに物事を進めてしまうと先々問題が発生するので『懸命な判断をすべき』と注意深さを促す」とか。
ただ、これらは、機能不全を起こす為の打ち手であって、もうお気づきだと思いますが、日本は完全にコレにやられちゃっています。
これ、本来は、全部、逆なんです。
時間やお金は有限なので、「重要でないものの仕上がり」にこだわっちゃダメなんです。
リソースを正しく分配して、パフォーマンスを最大化することが大事なんです。
先々に発生する問題は秒速で改善する前提で、スピーディーに物事を進めなきゃダメなんです。
まぁ、マンマとやられちゃっている。
僕らのチームは現場判断で、「丁寧に作ったものを、丁寧に届ける」
この感じで、オジサンが若手を潰す連鎖が続いているのが、僕はすごく嫌で、僕のチームは基本的には「現場判断」です。
若手に裁量権を持たせて、秒で対応。緊急時に上司のハンコを貰いにいくなんて言語道断です。
当然、「ここだけは、お前の意思で変えるな」ということは伝えた上で。
その上で、一番、言っているのは「作れ」です。
作品を、商品を、輸出品を作らないと、誰も助けられないので、作品や、商品や、輸出品を作れる身体作り、チーム作りをしろ…と伝えています。
昔、渋谷でコーヒー屋さんをブイブイやっているCHIMNEYCOFFEE代表の山邊が、「論破とかしたいんですよねぇ〜」とか言ったことがあって、その時は食い気味で「やめろ」です(笑)。
「リーダーは、熱量がある人間を仲間に取り込むことが大事なんだから、それを打ち負かして、敵にしてどうするんだ」とケチョンケチョンに論破してやりました!
…すみません。話がかなり脱線してしまいました。
やっぱり僕らのチームの姿勢としては、とにもかくにも「作る」です。
丁寧に作ったものを、丁寧に届ける。それだけです。
「何も生み出さない高齢者か、高齢者のような若者が、延々と話し合っている島」なんて嫌だし、そんなバトンを子供達に繋ぎたくないじゃないですか。
なので、「ちゃんと勉強をして、キチンと作れば、キチンと食っていけるんだ」というところを見せていきたいと思います。
お遊戯会『えんとつ町のプペル』の動画が完成!
最後になりますが、お遊戯会『えんとつ町のプペル』の動画が完成しました。
多くの大人と、そして子供達が力を合わせて作った15分間の動画です。
このお遊戯会の台本や、楽曲は、無料ダウンロードできるようにしています。
「作るのって、楽しいな」と思っていただければ幸いです。
動画の公開は、明日(日曜日)の19時からです。
お楽しみに。
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CHIMNEYTOWNのホームページを、
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【注意】
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