【西野亮廣】“老後のため”に生きる人の恐ろしい末路

2022年02月20日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

※この記事は、2022年2月18日に掲載された「GOETHE」(幻冬舎)の記事より一部転載しています。

お金を全く使わないと「稼ぐ力が増えない」

 
そんなこんなで本題です。
今日は、「老後の為に生きる人の末路」というテーマでお話ししたいと思います。
 
何年か前に「老後30年間で2000万円が必要」みたいな発表があって、ザワザワしたことがありましたよね。
年金も怪しいところですし、「退職金」が今ほど貰えるか分かりませんし、寿命もガン伸びするかもしれないので、実際に必要になってくる金額が「2000万円」かどうかはよく分かりませんが(そこはプロに聞いてください)、いずれにせよ、「まとまったお金」は必要になってきそうです。
その日に備えて、「キチンとお金を貯めておこう」という考えを持つことは結構なのですが、「貯めるにしても、ちゃんと考えて貯めた方がいいよね」というのが今日の話です。
 
個人的には「稼いだお金を全く使わない」というのは、そこそこリスクが高いと思っていて、一つ目のリスクとしては、お金を使わないと、「稼ぐ力が増えない」がある。
 
こういう時は、例えで「魚」と「釣竿」が引用されたりするのですが…
「毎日魚を3匹もらって、そのうち2匹食べて、毎日1匹の魚を貯める暮らしを延々続ける人」と、
「毎日魚を3匹もらって、そのうち2匹食べて、毎日1匹を保存して、10日目に、それまで貯めこんでいた魚10匹と、釣り竿1本を交換する人」
とでは、取り分が大きく変わってきます。
 
この場合、前者は「何も考えずにお金を貯める人」で、後者が「考えてお金を使う人」です。
 
で、ここでいう「釣竿」が、「資産」と呼ばれるものですね。
イメージしやすいところでいうと、「知識」です。
 
ちなみに、この時、「知識」と呼ばれるものを、「情報」と「知恵」の二つに分けて考えておいた方がいいのかなぁと思います。
日本のテレビのワイドショー等で手に入れられるのは、主には「情報」で、そこには「タレントの誰それが不倫した」といったものが混じっていたりします。
そして、そんな情報を飲み込むことに自分の時間を支払ったところで、何の助けにもならない。
 
一方で、皆さんがお嫌いな横文字でいうと、「クラウドファンディング」「フリーミアム」「ロングテール」「NFT」「ブロックチェーン」「web3」「DAO」…これらは「知恵」ですね。
 
「知恵」というのは、選択肢であり、生命力そのものです。
 
どうせ時間やお金を支払うのならば、「知恵」を獲得しにいった方がいい。
僕は、「知恵」を獲得する為に、現場に足を運んだり、本を買ったり、いくつかのオンラインサロンに入ったりしています。
そうして、お金を使うことで「稼ぐ力」を大きくする。
 
当然ですが、「稼ぐ力」を大きくしてから、貯めた方がコスパはいいですよね。
昔の人がよく言う「とにかく貯金しなさい」は、ここを大きく取りこぼしている。
「釣り竿なんて要らないから、魚を貯めなさい」と言っているようなものですね。
 
 

もっと大きなリスクは「人と繋がれないこと」

 
ここは、まぁ、「お金を使わないリスク」としてイメージしやすいところだと思うのですが、僕はそんなことよりも、もっと大きなリスクがあると思っていて…それが何かと言うと、「お金を使わないと人と繋がれない」ということです。
「自分の人生の関係人数が減っちゃう問題」ですね。
 
「こういう話を小学校でしてやれよ」と思うのですが、「お金を使う」ってどういうことかというと、誰かの何かを買っているわけですから、「誰かの生活を守っている」ということですよね。
 
(続きはこちらから【連載「革命のファンファーレ~現代の労働と報酬」】)

【西野亮廣】“老後のため”に生きる人の恐ろしい末路──連載「革命のファンファーレ2」Vol.30

https://goetheweb.jp/person/article/20220218-nishino_akihiro_30

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