『クラウドファンディング×分業』の難しさ

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運営の敗北 | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム
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ニューヨークPerelman Performing Arts Centerで観劇しました
せっかくニューヨークに滞在しているので、今日は少しニューヨークらしいテーマについて話してみたいと思います。
一昨日、マンハッタン南端に位置するPerelman Performing Arts Centerで、『クリスマスキャロル』の千秋楽を観劇しました。
この劇場を訪れるのは昨年に続いて二度目で、その際には、ミュージカル『キャッツ』を大胆にリメイクした意欲作が上演されていました。
ランウェイ型に組まれたステージに立っていたのは、猫ではなくドラァグクイーンたち。
観劇前は、「よく、ここまでのリメイクを本家が許したな」とビックリしていたものですが、幕が下りる頃には、その疑念は完全に消え去っていました。
結果として残ったのは、「そりゃ、本家も許すよな」という納得感です。
今回観た『クリスマスキャロル』もまた完成度が高く、あらためて、この劇場が持つ作品選定のセンスと、客席とステージの距離が生み出す濃密な没入感、そのポテンシャルの高さを実感しました。
ニューヨークを訪れる機会があるなら、観劇先の候補としてこの劇場を加える価値は十分にあると思います。
文化と観光が重なり合っている構造
さて。
こうしたニューヨークの舞台事情を眺めながら、同時に自分自身もこの街で舞台制作に関わっていて強く感じるのは、ニューヨークという街がすでに「舞台を観に行く文化」を生活の中に組み込み、なおかつ「舞台を観光資源として成立させている」という点です。
文化と観光が重なり合っているこの構造は、まさに鬼に金棒で、その結果、今日もニューヨークの劇場には多くの人が流れ込み続けています。
最近は、それこそ去年の『OTHELLO』以降、ジョージ・クルーニーやキアヌ・リーブスといったハリウッドスターを起点に集客を図る、いわば「インフルエンサー集客」の舞台も増えてきました。
しかしそれでもなお、ニューヨークでは現在も「作品そのものの力」で観客を集める舞台が成立しています。
実際、よほどの舞台ファンでない限り、出演者の名前を言える観客は多くありません。それでも客席は埋まる。
この事実こそが、ニューヨークという街が持つ舞台文化の成熟度を何より雄弁に物語っているように思います。
キャストのインスタグラムを覗いてみると…
『クリスマスキャロル』の帰り道、あれほど客席を沸かせていたキャストのインスタグラムを覗いてみると、フォロワーは三千人程度で、投稿の大半は家族写真や日常の記録でした。
そこには、フォロワー獲得のために汗をかいた形跡も、アルゴリズムと格闘した痕跡も見当たらない。
しかし、それでいいのだと思います。
役者の本分は「ステージ上で結果を出すこと」なので。
観客を惹きつけ、物語を成立させ、空間を支配する。
その一点に集中できている状態こそが、本来あるべき姿です。
一方で日本では、役者にSNS運用を求め、集客の一翼を担わせることが、半ば当然のようになっています。
ですがそれは、本来は運営側が引き受けるべき責任です。
役者に「演じること」以外の役割を背負わせなければ成立しない興行は、運営サイドが舞台を設計しきれていないことによる副作用であり、命懸けで文化を作りにいっていない興業主の敗北なのだと思います。
あらためてCHIMNEY TOWNでは、そういったことは役者さんにやらせたくないなぁと思いました。
ていうか、「裏のクソ面倒なことは全部コチラがやるから、そのかわりステージ上で絶対に結果を出して帰ってこいよ」と脅す関係でありたいです。
去年の夏の公演以降、「ミュージカル『えんとつ町のプペル』に出たい!」と言ってくれる役者さんや子供達が急激に増えて、本当にありがたいなぁと思ったのですが……今回、ニューヨークの演劇シーンの中に身を置いて、あらためて、ミュージカル『えんとつ町のプペル』への出演を夢見てくれている役者さん達が、そして、その他の日本の役者さん達が健全に活動できる場を整えることを覚悟しました。
「いやいや、いけるよ。ほら」と、やって見せることで…
あと、もう一つ。
これも「文化を作る」の延長にある話だと思うのですが…去年おこなった『OTHELLO』は週間興行成績がブロードウェイのストレートプレイ史上1位だったんです。
あの時は1週間の売り上げが4.5億円を超えていて、大変なニュースになっていたのですが、あれ以降、ブロードウェイでは1週間の売り上げが4.5億円を超える作品がバンバン出ています。
つまり、皆が「いけるんだ」となった瞬間に、皆がいけるようになるという話です。
これは、スポーツの世界でもよくある話だそうです。
100メートル走で長年「10秒の壁」があったのに、誰かが9秒台を出した瞬間に、一気に、皆が9秒台で走れるようになる‥みたいな話です。
演劇の世界でも全然あると思っていて、たぶん、今、日本で演劇をやっているカンパニーの9割9分は自分達の作品を世界に持っていけるとは思っていない。
そもそも狙ってすらいない。
そこに対して、「いやいや、いけるよ。ほら」と、やって見せることで、日本から海外に仕掛ける舞台屋を増やしたいと思います。
その為には僕がもっともっと頑張らなきゃな。
頑張ります。
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