映画『果てしなきスカーレット』は何故お客さんを怒らせたのか

2025年12月09日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
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映画『果てしなきスカーレット』は何故お客さんを怒らせたのか? | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム

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今回の結果から一つでも多くのことを学ばないといけないと思っています

 
オリジナル作品の公開を控えている者の一人として、細田守監督の最新作『果てしなきスカーレット』をめぐるアレやコレは他人事ではなく、今回の結果から一つでも多くのことを学ばないといけないと思っています。
 
『果てしなきスカーレット』を語るには、当たり前だけれど「作品の満足度」と「興行成績」は別で考えないといけない。
 
作品の内容が良いからといって必ずしも興行成績が伸びるとは限らないし、作品の内容がイマイチでも興行成績が伸びることがあるのが映画で、
ここを「相関関係」と捉えずに、「因果関係」と捉えてしまった時に、あらゆるプロモーションが逆回転を起こしてしまいます。
 
たとえば、アイスの売り上げが伸びたと同じタイミングで、海やプールで溺れる人が増えたのは、「アイスの売り上げが伸びたから」ではなくて「夏だから」であるのに、「溺れる人を減らす為にアイスの販売を控える」とかワケわからんじゃないですか。
 
つまり、「前作がヒットしたから、前作の満足度が高かったのだろう」という因果関係ビバ!な感じで悪戯に露出を増やしてしまうと、前作のヒットの要因が「満足度」じゃなかった場合に大火傷する可能性がある。
 
このへんに関してはかなりセンシティブな内容になるので、今日の「プレミアム放送」でお話しします。
 
 

ブランドというものは「約束」そのもの

 
さて。
 
今回の『果てしなきスカーレット』ですが、特徴的だったのは、映画をご覧になられた方の多くが「怒っていた」というところだと思います。
 
SNSでも、YouTubeでも、いたるところで「怒り」が散見されました。
 
『ワンピース THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』のインタビューで脚本家をなじった細田監督の記事がこのタイミングで掘り起こされて、お客さんの「怒り」は細田監督の人格否定にまで及びました。
 
クリエイターの人格をとやかく言うのであれば、東日本大震災発生直後に「仕事を止めるな!」とブチギレた宮崎駿監督の豪快なパワハラも吊るしあげられてもいいのに、あちらは「極端で面白い。クリエイターは、これぐらいでなきゃ!」で済んでいる。明暗を分けたのは、お客さんの「怒り」だと思います。
 
では、なぜ『果てしなきスカーレット』はそこまでお客さんを怒らせてしまったのか。
 
今のところ、お客さんを怒らせた原因の全てが「作品の中身」ということになっていますが、これは僕の一意見として…今回お客さんが怒ったのは「これまでの合わせ技一本」ともう一つ、「プロモーション」にあると思っています。
 
今回の『果てしなきスカーレット』では、CMの頭に細田監督の過去作をつけていることが多かったです。
 
「『時をかける少女』や『サマーウォーズ』を作った監督の最新作」という打ち出し方でした。
 
お客さんの「怒り」の原因の一端はおそらくここにあって、今回の『果てしなきスカーレット』では「『焼肉食べ放題』と聞いて店に来たのに、創作料理を出されてしまった」という裏切りがあったのだと思います。
 
僕は立川志の輔師匠の落語が大好きで毎年通っているのですが、「親子で楽しめる体験型エンターテイメント」という誘い文句に誘われて、動きやすい格好で甥っ子や姪っ子を連れて観に行った先に待っていたのが志の輔師匠の落語だったら「怒り」を覚えるかもしれません。
 
この時、志の輔師匠の罪は一切ありません。
 
「誇大広告」どころか、「商品の種類から違うやんけ!」が起きていたのが今回の『果てしなきスカーレット』のプロモーションでした。
 
これは結果論の後出しジャンケンで最低だと思いますが、たとえば今回のプロモーションは「今作は大衆向けではなく、細田守の極めて個人的な復讐を描いた作品だから」を理由に、あまり派手な広告を打たなかった方が、皆が作品を観る目が「細田守はどんな痛みを抱いたのだろう?」になって、「細田守の痛みが分かる俺、イケてる」という方に持っていけたのかもしれません。
 
矢印をそちらに向けると、「何の話か分からんかった」という感想を言うことがダサくなるので。
 
エンタメの世界ではよくある手法です。
 
やっぱりブランドというものは「約束」そのもので、今の時代、集客に焦るあまり「約束」を破ってしまうと、大きなシッペ返しをくらってしまう。
 
日本映画史上もっとも「予告編」が見られた可能性が高い『果てしなきスカーレット』の打ち出し方については、映画関係者のみならず、マーケティングに関わる全ての人があらためて議論した方が良さそうです。
 
今日のプレミアム放送では、表では言えない、かなりエグめの『果てしなきスカーレット』のプロモーションについてお話ししたいと思います。
 
 

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