時代が求めている「役割」と「一体感」

2025年11月17日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

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https://voicy.jp/channel/941/7281932

時代が求めている「役割」と「一体感」 | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム

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踊るのではなく、踊らせる

 
少し真面目に、「バンドザウルス」というプロジェクトについて考察してみたいと思います。
 
新刊の執筆に集中するため、二日ほど熱海の山中にこもっていたのですが、昨日、カブアンドの前澤さんから「カブアンド総会のアフタートークを撮影しよう」とのお誘いをいただき、山を下りました。
 
その収録の中でエンターテインメント論に話が及び、さらに夜にはLINEでのやり取りの中でも、同様のテーマが続きました。
 
話題は「これからのエンタメ(特にライブエンタメ)はどこに向かうのか」。
 
議論を整理していく中で、月並みですが、「あまりに多くのコンテンツが流通する現代において、クオリティの高さだけで差別化を図るのは極めて難しい」というスタート地点に立ちました。
 
では、ライブエンタメはどこで存在意義を確立すべきか。
 
いくつかのシミュレーションを重ねた結果、「役割」と「一体感」を提供するエンターテインメントこそが、これからの時代に支持されるというのが僕の結論です。
 
先日の『えんとつ町の踊るハロウィンナイト』でも顕著だったのは、観客を「観客のまま」に留めるパフォーマンスではなく、観客を作り手サイドに巻き込む構成が最も盛り上がるという事実です。
 
「上手いダンス」よりも「踊らせるダンス」が支持されていました。
 
皆で歌う『オー・シャンゼリゼ』や、ミュージカル『えんとつ町のプペル』の『星の歌』を会場全体でアカペラ合唱した時の高揚感…あれこそがライブ体験でした。
 
制作チームにも繰り返し伝えてきたのは、「踊るのではなく、踊らせる」という姿勢です。
 
放っておくと、プロはすぐに「自分たちの練習の成果」を披露する方向に流れがちですが、それは生成AIの出力と半ば重なり始めています。
 
つまり、観客を椅子に座らせて「ただ見せるだけのパフォーマンス」は、自宅でAIモデルのパフォーマンス映像を鑑賞する体験と本質的な差がなくなりつつある。
 
かつて僕は、「ライブ」はAI時代の最後の砦だと考えていました。
 
しかし今は、それは半分正しく、半分誤りだと感じています。
 
「AIに代替されるライブ」と「AIに代替されないライブ」は明確に存在し、後者は観客に「見る」以外の行動を促すもの…すなわち、参加・共創・感情的没入を伴う体験である必要があるのです。
 
 

「カラオケ」と「エクササイズ」の提供

 
こういった「問い」と対峙した時の正解の出し方が僕にはあって、それは「楽しいハズなのに何故か泣けちゃうモノ」を探すんです。
 
たとえば、ちょっと騙されたと思って、YouTubeで『帝国華撃団 ライブ』で検索してみてください。
 
これ、1996年頃に出たゲームおよび、そこから派生したアニメ『サクラ大戦』の劇中歌なんですが、今で言うところの「2.5次元」の原型みたいな感じで、声優さん達がキャラクターのコスプレをして、歌って踊っているんです。
 
声優さん達がこの日に向けて、ダンスの練習をしてきた感じが伝わってくるのも最高なんですが、この曲、メチャクチャ盛り上がるのですが、サビに入るとお客さんの手拍子が一気に無くなるんです。
 
理由は、サビに入ると「お客さんも一緒になって踊っているから」です。
 
逆に言うと、サビは「お客さんが踊れる振り付け」になっているんです。
 
たとえば、「足は固定して、手の動きだけ」なんです。
 
おそらく椅子席のことを考慮して。
 
それによって、サビ前まで「手拍子」、サビは「一緒に踊る」というエンタメになっていて、お客さんもシッカリと汗をかいて、おかげで会場が一つになっていて、めちゃくちゃキラキラしていて…あの『帝国華撃団』のライブ映像を見ただけで泣きそうになるんです。
 
AIに代替されないモノであり、今の僕たちの身の回りに不足しているモノ(つまり今の僕たちは本能的に欲しているモノ)って、あの時間なんです。
 
「バンドザウルス」では、ああいった時間を再現したいと思っていて、言語化すると、お客さんの「役割」と「一体感」って、つまるところ「カラオケ」と「エクササイズ」の提供なんです。
 
だからバンドザウルスは今年の『えんとつ町の踊るハロウィンナイト』から中央の巨大スクリーンに全曲、歌詞を出すようにしました。
 
やっぱ、エンタメを作る以上は、「泣きそうになるぐらいの光」を届けたいと思っていて、それはきっと、その時代その時代によってちょっとずつ変わっていて、今は、やっぱり「役割」を求められるようなエンタメや、「みんなで行こう」と誘ってくれるエンタメ…または、「お前が必要だ」と言ってくれるエンタメを僕らは欲しているのだと思います。
 
完全に悪フザケで始めた『バンドザウルス』ではありますが、そういったものを作っていこうと思います。
 
是非、再来年のハロウィンのご予定を空けておいてください。
 
 

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