ミュージカルとエンタメの衝突の果てに

2025年08月07日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/channel/941/6964159

ミュージカル畑とエンタメ畑の衝突の先にある景色 | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム

https://voicy.jp/channel/941/6964159

 
 

価値観の異なる文化同士が交差するプロジェクト

 
ミュージカル『えんとつ町のプペル』の初日まで、いよいよ残すところ二日となりました。
 
とはいえ、明日には関係者と一部のお客様を迎えての最終リハーサル(ゲネプロ)が控えており、実質的には、調整に使える時間はほとんど残されていない状況です。
 
映画制作においてもミュージカルにおいても、何年にもわたる準備期間を経て臨んでいるはずなのに、最終的には毎回ギリギリまで奔走することになるのは、もはや恒例行事のようなものです。
 
先日、演出の光夫さんから「この状況でニヤニヤしているのは、あなたぐらい」と言われましたが、確かに現場には高い緊張感が漂っており、時に衝突も起こります。
 
しかし、そうした過程すらも含めて、創作現場の本質なのだと感じています。
 
今回の制作において特に面白いのは、クリエイティブチームが「ミュージカル畑」と「エンタメ畑」、異なる文化圏の人間による混成チームで構成されている点です。
 
それぞれの領域には、それぞれの正義やルール、スピード感が存在するため、一言で通じ合う関係性にはなりません。
 
たとえば、僕やイジツさん、佐藤さんといった「エンタメ畑」のメンバーは、「もっと音を大きく」「スモークの量は事故と間違われるぐらい出してください!」などと、いわば“異常値”を求めることが多くあります。
 
一方、ミュージカル畑の方々は「歌をしっかり聴かせたい」「稽古で積み上げた動きを丁寧に見せたい」という意識が強く、そこには当然ながら両者の間に緊張が生まれます。
 
その調整役として、光男さんが奔走してくださっており、頭が下がる思いです。
 
とはいえ、これは誰が正しい・間違っているという話ではなく、「価値観の異なる文化同士が交差するプロジェクト」であるということに他ならないし、この混血チームこそが、今回の作品に圧倒的な個性を生んでいることは間違いありません。
 
 

“常識を逸脱する美”を活かすための「解読」

 
今回、ミュージカル畑の皆さんとご一緒させていただいたことで、(自分達の中では当たり前になっていたけれど)そういえば当たり前じゃなかったことの一つに、「佐藤さんの美術には“解読の儀式”が必要である」ということ(笑)
 
佐藤さんとは、映画『えんとつ町のプペル』からのお付き合いなのですが、前回のミュージカル『プペル』や『テイラーバートン』『えんとつ町の踊るハロウィンナイト』など、これまで何度もご一緒させていただいています。
 
その度に「どこに何を建てようとしているんですか?」と頭を抱えるような大胆な設計図が上がってきます。
 
ときには「そこにそんな巨大な構造物を置いたら、客席から舞台が見えませんよね?」というケースもあります。
 
最たる例が、SEKAI NO OWARIさんのステージに登場した、巨大な“木”のセットかもしれません。
 
それは従来の美術セットの常識からは大きく逸脱したデザインでありながらも、実際に形にしてみると圧倒的な迫力と物語性を舞台にもたらし、観客の心を揺さぶるものでした。
 
ただし、そのような“型破りな”美術セットを活かすためには、演出や動線の再設計が必要となります。
 
たとえば、今回のセットは「高さ」と「奥行き」に大きな特徴があるため、従来のように「舞台袖から登場し、センターで歌い、再び袖にハケる」といった“横の動き”中心の演出では、美術が持つポテンシャルを活かしきれません。
 
また、「まだ袖だと思っていた場所が客席から丸見えだった」なんてことも起こります。
 
観客、とりわけ子どもたちが『えんとつ町』に期待するのは、高低差、煙や蒸気、そして歯車がアチコチで同時多発的に動くスチームパンク的世界観です。
 
これらを演出するためには、ときにミュージカルの“セオリー”を破る必要があり、結果的にミュージカル畑の方々を戸惑わせてしまう場面もあります。
 
しかし、佐藤さんの美術には、そうした“常識を逸脱する美”が宿っており、それを最大限に活かすには、毎回「解読」が求められるのです。
 
光夫さんは、まさにこの異なる美意識や価値観の間に立ち、橋渡しをしてくださっています。
 
そのご苦労は計り知れませんが、こうした面倒なチームをまとめられるのは、光男さんをおいて他にいないと、強く思います。
 
残された時間を最大限に活用し、この壮大な挑戦に全力で向き合っていきます。
 
とんでもない作品が仕上がりつつあります。
 
大いにご期待ください。
 
 

====================
CHIMNEY TOWNのホームページを、
スマホのホーム画面(待受画面)に追加する方法
====================
 
★iPhoneの場合
→画面下にある変なマークをクリックしたら、そこに『ホーム画面に追加する』が出るので、そこをポチッと!  
 
★Androidの場合
→画面右上にある「三つの点」マークをクリックしたら、そこに『ホーム画面に追加する』が出るので、そこをポチッと!
 
【注意】
LINEアプリ(たぶんFacebookアプリも)でホームページを開いてしまうと『ホーム画面に追加する』が出ないので、その場合は、Google Chromeを立ち上げて、『https://chimney.town/』を入力して、そこから、★の手順でチャレンジしてみてねー!
 
 
いつも応援ありがとうございます!
「西野亮廣エンタメ研究所」ではオンラインサロンの会費を活動資金として、さまざまなプロジェクトに挑戦しています!
 
▼メンバーになって西野の挑戦をもっと応援したいという方はコチラ
「西野亮廣エンタメ研究所」
https://salon.jp/nishino

Salon.jp | 西野亮廣エンタメ研究所

https://salon.jp/nishino

※サロンメンバーさん同士交流される場合は今まで通りFacebookアカウントが必要です
 
 
\公式LINEができました/
▼西野亮廣 公式LINEはコチラ↓
https://lstep.app/bew62ko

シェアする