母親がヒステリックなまでにブチギレる理由

2025年04月12日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

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https://voicy.jp/channel/941/6609600

母親がヒステリックなまでにブチギレる理由 | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム

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『迎え灯』を書く際、真っ先に思い浮かべたのは、僕の母の姿

  
今日は、珍しく、僕の母親の話をしたいと思います。
 
とくに仕事の役に立つ話でもないので、忙しい方は聴き飛ばしてください
 
昨日、密着ドキュメンタリー『BackStory』の最新話の配信がありましたが、ご覧になられましたでしょうか?
 
まだご覧になられていない方は、是非、ご覧ください。
 
ミュージカル『えんとつ町のプペル』は、2021年に東京で「初演」という形でスタートし、今年の夏に「大劇場版」として大幅にアップグレードしてお届けするわけですが、その際に演出の吉原光夫さんから主人公ルビッチの母親「ローラ」を、「これまで以上に前に出して欲しい」というリクエストがありました。
 
具体的に言うと、「ラストはルビッチがローラの元まで帰ってくるまでを描きたい」と。
 
「息子を送り出した勇気が報われるまでを描きたい」と。
 
吉原光夫さんが描く『えんとつ町のプペル』の着地はそこなので、当然、そこに向けての物語を紡ぐ必要があって、そうなった時にローラの胸のうちを吐露する曲が絶対に必要で、そこで生まれたのが昨日の『BackStory』で流した『迎え灯(むかえび)』という曲です。
 
『えんとつ町のプペル』という作品は、遠い異国の物語ではなく、むしろ僕のすぐそばにある出来事を描いています。
 
登場人物たちは、決して架空の存在ではなく、私の身近な人々――家族や友人――をモデルにしています。
 
『迎え灯』という楽曲の歌詞を書く際、真っ先に思い浮かべたのは、僕の母の姿でした。
 
母との記憶をたどって最初に蘇ったのは、少しヒステリックなほど激しく怒っていた彼女の表情です。
 
 

普段とは全く違う母の激しい怒り

 
あれは、僕が小学1年生か2年生の頃のこと。
 
当時、僕は「自転車でどこまで行けるのか」という、子ども特有の冒険心に駆られ、ひとりで遠くへ漕ぎ出していました。
 
皆さんが暮らす町では、隣町との境界が曖昧なこともあるかもしれませんが、僕が生まれ育った兵庫県川西市は、四方を山々に囲まれた土地で、隣町へ行くには、山を越えなければならず、その先には大都会・大阪が広がっていました。
 
子どもにとっては、隣町の大阪はあまりに遠く、いつも親と一緒でなければ行けなかった場所です。
 
それでもその日は、「どこまで行けるか試してみたい」という衝動に突き動かされ、一人で山道を登りはじめたのです。
 
迷わないようにと、分かれ道を通るたびに振り返り、帰り道を頭に焼き付けながら、ぐんぐん山を登っていきました。
 
やがて陽が傾き始め、「そろそろ帰らなければ」と思いながら引き返しましたが、山の上は民家もまばらで、車も滅多に通らず、街灯も数えるほど。
 
あたりはどんどん暗くなっていき、恐怖心に襲われました。
 
けれど同時に、空に広がる星があまりにも美しく、僕はその光景に心を奪われました。 
 
「早く帰らなければ」と焦る気持ちと、星の美しさに心を震わせる気持ちが交錯し、その時の僕は少しだけその場で立ち止まってしまったのでしょう。
 
結果的に帰りはさらに遅くなり、家に着いた頃にはすっかり夜になっていました。
 
おそらく午後7時を過ぎていたのではないかと思います。
 
玄関の戸をおそるおそる開けると、母は「何時やと思ってんの!」と烈火のごとく怒っていました。
 
「もう家には入れない」と(笑)。
 
それ以前にも帰宅が遅れたことが数回あり、そのたびに、母は普段とは全く違う激しい怒りを見せていました。
 
当時の僕は、「そこまで怒らなくても…」と戸惑っていましたが、今振り返ると、母はただ、僕の身を案じて、不安に押しつぶされそうになっていたのだと思います。
 
「事故に遭ってしまったのではないか?」とか、「誘拐されたのではないか?」とか、当時の僕は、彼女に、そういった不安を背負わせてしまっていたのでしょう。
 
子供の帰りが遅い時の母親は「叱っていた」というよりも、「キレていた」というのが正解で、その正体は「子供を失ってしまうかもしれない」という恐怖や不安だったのだということが今になってわかりました。
 
そりゃ、あれぐらいキレますよね。
 
 

『えんとつ町のプペル』の制作は、自分の人生のページに決着をつける作業

 
今回、『迎え灯』の歌詞を書く時に、そんなことに想いを巡らせ、母ちゃんにずいぶんヒドイことをしちゃったなぁと反省しました。
 
そう考えると『えんとつ町のプペル』という作品の制作は、自分の思い出を整理整頓し、自分を含めて、あの時そこにいた人達の感情に耳を傾ける作業で、これまで何も考えずに生きてきた自分の人生のページの一つ一つに決着をつけているのだろうなぁということを、今回の『迎え灯』の制作で、あらためて感じました。
 
『迎え灯』という曲を聴いた皆さんの思い出も聞いてみたいです。
 
たぶん、全員に心当たりがあるハズなので。
 
良かったら、『BackStory』のコメント欄までコメントください。

 
 
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