正しく「優しいサービス」を目指そう

2025年04月10日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/channel/941/6602178

【若手社員必聴】サービス設計の3ステップ | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム

https://voicy.jp/channel/941/6602178

 
 

今日は朝から西野塾です(笑)。
 
お付き合いください。
 
 

【ステージ1】

 
CHIMNEY TOWNで働く若手メンバーには、なるべく早い段階から「予算会議」への参加や、収支表の管理といった業務に携わってもらうようにしています。
 
たとえば、コマ撮り短編映画『ボトルジョージ』では、毎週「収支表」を更新させて、報告させています。
 
現在手元にある『ボトルジョージ』の収支表を確認すると、昨年4月20日に東京で開催した試写会が赤字であったことがわかります。
 
これは若手に企画・運営を一任したイベントで、収入が1,408,300円に対し、支出が1,677,523円。
 
結果として、276,693円の赤字を計上しています。
 
このイベントは「チケット完売」という成功を収めながらも、赤字を出しています。
 
つまり「読み違えて商品が売れなかった」わけではなく、「商品は完売しているにもかかわらず赤字を出している」というキテレツな状況です。
 
イベント自体を「広告活動」と位置づけるならば問題ありませんが、そうでないならば、「売上が確定しているのだから、経費をそれ以下に抑えるべき」という、ごく初歩的な会計感覚が欠落していたと言える。
 
驚かれる方もいるかもしれませんが、こうした基礎的な“損益感覚”は、社会に出たばかりの若者にとってはまだ育っていないことが多いです。
 
アルバイト経験しかない段階では、「経費」や「人件費」という概念に現実味がなく、自身の労働時間が“コスト”として企業に発生しているという理解も乏しい。
 
しかし、これは経験によってしか学べない部分でもあります。
 
実際に収支を伴う現場に立ち会い、「こういう意思決定をすれば、こういう結果になる」という“訓練”を経ることで、次のステージに進むことができる。
 
 

【ステージ2】

 
次のステージに進むと、「チケット価格を上げる」「販売物を増やす」などして売上を伸ばすか、あるいは「やりたいことを取捨選択する」「複数の見積もりを取る」などして、経費を抑える(=黒字化する)といった対応ができるようになります。
 
ただし、このフェーズで見落とされがちなのが、「フロントエンド」と「バックエンド」の概念です。
 
すなわち、「イベント自体で利益を出す」のではなく、「イベントの満足度を最大化することで、後日に売れる利益率の高い商品(バックエンド)につなげる」という考え方です。
 
たとえば、今年10月2日〜7日に横浜赤レンガ倉庫で上演される舞台『魔法使いのパレード』では、僕が脚本として関わっているご縁から、劇団「おぶちゃ」の皆さんと意見交換をする機会が増えています。
 
劇団員のひとりである瀬口美乃さんは、女優業と並行してバルーンショップを経営されているのですが、そういった背景があるにもかかわらず、いまだに公演に「イベント花が贈られる」という文化が残っている。
 
これほどの“機会損失”はありません。
 
おぶちゃサンの場合は「イベント花は禁止。代わりにイベントバルーンを公式に推奨」とすることで、公演を“集客装置(フロントエンド)”とし、バルーン販売という“収益装置(バックエンド)”で収益化する、という設計にした方がイイ。
 
これにはフロントエンドとバックエンドの発想が不可欠です。
 
 

【ステージ3】

 
さらに、そこから“ステージ3”へと進んだ際に求められる視点が、「LTV(ライフタイムバリュー)=顧客生涯価値」です。
 
すなわち、「一人のお客様が、そのサービスに人生を通じてどれだけの価値を感じ、どれだけの支出をしてくださるか?」という指標です。
 
LTVが高い事業は、短期的な売上に一喜一憂せず、持続可能で安定した成長が見込めます。
 
この視点に立てば、「お客様に優しい設計」は、もはや倫理ではなく“経営判断(極めて合理的な判断)”であると言える。
 
たとえば、ミュージカル『えんとつ町のプペル』のグッズには、利益率の低い200〜300円の商品があります。
 
スタッフからは「これでは利益が出ません」と言われることもありますし、これをキッカケに、バックエンド(利益率が高い商品)に繋げられるわけでもない。
 
「だったら、せめて500円ぐらいにしとけよ」という話なのですが、ここで重要なのが、「お母さん体験」「お父さん体験」という感情設計です。
 
「我が子に小さなおもちゃを買ってあげる」という行為が、保護者にとっての満足度となり、またCHIMNEY TOWNのイベントに来てくれる動機になり得る。
 
その積み重ねが、5年、10年と続くブランド価値を生み、結果としてLTVを高める。
 
要するに、「一人のお客様と長くお付き合いできる設計」こそが、最も誠実で、最も強く、そして最も合理的なビジネスの在り方です。
 
いろんなイベント屋さんを見ていると、「ステージ1」か「ステージ2」で止まっているところが多いので、今日の話を参考にしてみてください。

 
 
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CHIMNEY TOWNのホームページを、
スマホのホーム画面(待受画面)に追加する方法
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★iPhoneの場合
→画面下にある変なマークをクリックしたら、そこに『ホーム画面に追加する』が出るので、そこをポチッと!  
 
★Androidの場合
→画面右上にある「三つの点」マークをクリックしたら、そこに『ホーム画面に追加する』が出るので、そこをポチッと!
 
【注意】
LINEアプリ(たぶんFacebookアプリも)でホームページを開いてしまうと『ホーム画面に追加する』が出ないので、その場合は、Google Chromeを立ち上げて、『https://chimney.town/』を入力して、そこから、★の手順でチャレンジしてみてねー!
 
 
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