集客に困ってやった“画期的な改善(それも10億円)”が、そもそも大間違い!

2024年07月14日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

※この記事は、2024年07月12日に掲載された「GOETHE」(幻冬舎)の記事より一部転載しています。

僕は敵ではなくて「どうか持ち直して欲しいな」と願っている人間です

 
何かと話題の『札幌ドーム』が日本ハムファイターズの本拠地移転後初めてとなる決算(2023年度)で、約6億5000万円という過去最大の赤字となったことを発表しました。
ちなみに1年間の売り上げは前年度から57%減少して、約12億7000万円だそうです。
 
くれぐれも言っておきますが「売り上げ」が12億7000万円です。
 
日ハム戦が年間60試合ほどあったそうなのですが、それがゴッソリと無くなった為、イベント日数は22年度の124日から23年度は98日に減少したそうで、「これはヤバイぞ。もっと使い勝手をよくせねば! たぶん、会場が大きすぎるから皆、利用してくれないんだ!」となったのか、なんと10億円をかけて、アリーナを暗幕で区切って、入場者数を約2万人規模に縮小する「新モード」を提案したものの、23年度の利用はわずか3日だったそう。
 
やることなすこと裏目に出ちゃって、「日ハムに意地悪をしたバチが当たった」みたいな昔話みたいな展開になっていますが、これに関して、普段、大きなホールなどを利用させてもらっているエンタメ屋からお話しさせてください。
 
テレビのコメンテーターさんとかは、普段あまり大きなホールを借りたりしていないと思うので、こっち側の意見を聞くことって、あまり無いと思うので、とくに札幌ドーム関係者の方は耳を傾けていただけると嬉しいです。
 
僕は敵ではなくて、死体蹴りをするような人間でもなくて、「どうか持ち直して欲しいな」と願っている人間で、札幌ドームの偉いさんからすると、「ていうか、お前は何者だよ? 一タレントでしょ?」と思われるかもしれないので、簡単に自己紹介をしておくと、集客の要でもある色恋やエロやインフルエンサーを一切排除して、ものすごい角度から、ものすごく集客している人間です。
あとは過去の実績を調べてください。
 
 

そもそもの問題として「北海道公演」は昔から鬼門

 
きっと札幌ドームさんは「もっとアーティストさんに利用して欲しい」と思われていることでしょう。
 
札幌ドームの最大収容人数は53,820人で、固定客席数だけでも41,566席あります
 
そりゃ、これだけの席数を埋めてくれるアーティストさんが利用してくれたら最高だと思うのですが、そういった大きな場所を利用する側からすると、まず『札幌ドーム』ウンヌン関係無しに、そもそもの問題として「北海道公演」が昔から鬼門なんです。
 
これは北海道の方なら今ごろ首を上下にブンブン振られていると思うのですが、北海道って、よく「全国ツアー」から外されるんです。
北海道公演だけ無いんです。
 
理由はいくつかあって、まず北海道って他の都市に比べてシンプルにお客さんの集まりが悪いんです。
これは僕の主観ではなくて、各アーティストが数字で証明しているので調べてください。
いろんな大物アーティストが北海道公演だけは苦戦しています。
 
そして、お客さんが集まらない割に、機材移動費がメチャクチャ高いんです。
船で運ばなきゃいけないので。
 
で、これが厄介なことにツライのは運営側だけじゃなくて、お客さんもなかなか厳しい目にあっています。
たとえば『札幌ドーム』でライブがあったとしても、道外のお客さんを数万人運ぶだけの「移動手段」がないんです。
 
飛行機をイメージしてください。
1日に数便しか飛んでないじゃないですか?
でも、飛行機ってせいぜい200〜300席でしょ?
なので、「札幌公演のチケットを取れても、札幌まで行けないので、札幌公演は諦めます」ということが起きている。
 
これは『札幌ドーム』の責任じゃなくて、日本列島の責任です。
 
北海道に人を数万人運ぶのって、そもそも無理ゲーに近い。
 
(続きはこちらから【連載 『革命のファンファーレ』から『夢と金』】

集客に困ってやった“画期的な改善(それも10億円)”が、そもそも大間違い!

https://goetheweb.jp/person/article/20240712-nishino-152

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