「アンチ活動」について真面目に考えてみた

2024年06月29日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

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https://voicy.jp/channel/941/3240334

「アンチ活動」について真面目に考えてみた。 | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム

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僕がすっごく引っかかった投稿

 
僕は時々、エゴサーチをして、「アンチコメントを無言でリポストする」という謎プレイに走ることがあるのですが、昨日、そのノリでリポストしたコメントがすっごく引っかかったので、今日はそのことについてお話ししたいと思います。
 
まずは、僕がリポストした投稿を読み上げます。
 
「なぜ人がアンチ活動に取り込まれるか。15年前キンコン西野アンチスレに入り浸っていた私が解説します。 
 
それはね、失われた青春が戻ってくる気がするからなんですよ。
 
みんなで一緒に何かする感覚。学生時代に得られなかったグループ活動が、叩きによって擬似的に得られるから。
 
学生時代、みんなが部活やバイトや恋愛を楽しみ、ワイワイしていた経験を得られずに来た人は、大人になって青春に執着を見せる。
 
叩きや炎上はその青春が戻ってきた錯覚を得られんですよ。
 
でもそれは、当たり前だけど、擬似的/仮想的な青春であって本物ではない。
 
だからしつこくしつこく粘着する。
 
ネットに一番多い属性は嫌儲クラスタなので叩き仲間はいくらでも見つかる。同じように若い頃ぽつんと、楽しそうな同級生を見ていた人同士、酒のつまみ感覚でアンチ活動ができる。
 
でもそれは本当の友達じゃないし、学生時代は二度と戻ってこないし、何より自分の人生を生きなくてはならない」
 
 

「アンチ活動」が「殺人行為」だということは忘れて欲しくない

 
投稿にありますが、この方は、今現在アンチ活動しているわけではなく、元々アンチ活動をされていた方で、努めてフラットな目線で、「アンチ活動にハマる理由」を書いてくださっていて、最後には「でもそれは本当の友達じゃないし、学生時代は二度と戻ってこないし、何より自分の人生を生きなくてはならない(から自分の人生を生きようね)」と前向きにまとめられていたわけですが……しつこいアンチ活動によって追い込まれ、思い悩んでしまい、自ら命を絶つ人がいる以上、「アンチ活動」というものが「殺人行為」だということは忘れて欲しくない(というか流して欲しくない)と思いました。
 
これは自分のファンを巻き込んでアンチ活動をしているタレントやインフルエンサーにも同じことが言えるのですが、「自分がアンチ活動に励んでいる人の子供だったら」と考えた時に、自分の親が殺人に加担しているのはあまりにもツラくないですか?
 
「俺、アンチ〇〇だから」と嬉々として言っている人達は、おそらく、このあたりの自覚が完全に薄れていると思うのですが、個人を嫌うことは許されても、個人のアンチ活動は許されるものではないと僕は思っています。
 
僕は自分の時間を自分に使いたい人間なので(嫌いな人になんか1秒も使いたくない人間なので)、「アンチ活動」に励む人間のことが1ミリも理解できないのですが、とはいえ、アンチ活動も「対グループ」と「対個人」は罪の重さが全然違うと思っていて…たとえば、阪神ファンがアンチ巨人精神で「何クソー」と頑張ったところで、巨人の選手が思い詰めて自殺することは無いと思うんですね。
 
でも、これが「皆で結託して、西野のアンチ活動をしよう!」という感じで、西野個人に的を絞って攻撃を始めた時に、西野が自殺する可能性は確実にある。
 
どちらも褒められたもんじゃないですが、だけど「対グループ(アンチ巨人)」と「対個人(アンチ西野)」の二つを同じ「アンチ活動」のカゴに入れるのは、やっぱり違和感があります。
 
 

「殺人行為を働いた人間が、そのことをノーカウントにして次に進んでいたこと」に強烈な違和感

 
こんなことを言っても、今、アンチ活動に励んでいる方にはなかなか響かないと思うのですが(もう手遅れなのかもしれませんが)、ただ、これからを生きる子供達には「個人へのアンチ活動というのは、最悪、その人を死に追いやってしまう殺人行為なんだよ。キミは、それでも個人へのアンチ活動を始めるか?」ということは伝えていきたいし、お父さんお母さんは、是非、お子さんにこの話をしてあげて欲しいです。
 
アンチ活動をしている側からすると「たった、こんなことで死ぬわけないだろ」と高を括っているかもしれませんが、誹謗中傷が効くのは「一発の重さ」ではなくて、「量」なので、50人の人間が一人の人間に対して「バカ」というだけで、言われた側の人間が自ら命を絶つには十分な理由になります。
 
繰り返しますが、引用ポストさせていただいた投稿の「でもそれは本当の友達じゃないし、学生時代は二度と戻ってこないし、何より自分の人生を生きなくてはならない」という最後の前向きなまとめ方に(フラットな目線でまとめられていただけに)強烈な違和感を覚えたのは、「殺人行為を働いた人間が、そのことをノーカウントにして次に進んでいたこと」で、ここに関してはご本人的には本当に無自覚だと思いますので、とりあえず注意喚起しておきます。
 
 

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