海外映画祭にエントリーする人間の本音

2024年02月06日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/channel/941/722102

海外の映画祭にエントリーする人の本音 | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム

https://voicy.jp/channel/941/722102

 
 

『ボトルジョージ』がエントリーする『アヌシー国際映画祭』とは?

 
今日は実に奥ゆかしい話をしたいと思います。
 
最近、僕のVoicyでチョコチョコと名前を聞くようになってきたかと思いますが、2019年から、コロナに襲われたり、他にも様々な理由で、制作をストップさせられ続けてきたコマ撮り短編映画『ボトルジョージ』の撮影が先月、ついにクランクアップしまして、現在は、フランスで開催される『アヌシー国際映画祭』に間に合わせる形で編集作業が進められております。
 
さて。
 
この『アヌシー国際映画祭』とは一体何ぞや?といったところだと思うのですが、こちらは、1960年に創設された、フランスのアヌシー市で開催される世界最古、そして最大規模のアニメーション映画祭です。
 
世界で最も権威のあるアニメーションの祭典の1つなのですが、日本ではあまり知られていないですよね?
 
「カンヌ映画祭」なら聞いたことがあるけど、「アヌシー映画祭」はあまり馴染みがない。
 
これ、元は同じ映画祭でして、1956年と1958年に「カンヌ映画祭」の中で「国際アニメーション週間」というのが開催されまして、それが1960年に独立して、「アヌシー映画祭」になったんです。
 
「実写とアニメーションを一緒クタにしていたけど(むしろアニメーションは、実写のサブ的な扱いだったけれど)、アニメーションはアニメーションで1つのジャンルだよね」みたいなノリから始まったわけです。
 
このアニメーション映画祭は「長編部門」と「短編部門」があるわけですけども、「長編部門」ができたのは実は最近の話で、もとは「短編」だけだったんです。
 
これには理由はありまして…、
 
皆さんは「短編アニメーション」にお金を払った経験って、ほとんど無いと思うのですが、それが現実で、短編アニメーションは言ってしまったら「商売にならない」んです。
 
「マーケットがない」という言い方をしたりしますが…ですが、「商売にならない(マーケットに乗りにくい)芸術が世の中から消えていいのか?」という問題がありまして、「いやいや、商業アニメもあっていいけど、アートアニメもあっていいじゃん。それはそれで、1つの文化として、守っていこうよ。評価していこうよ」みたいな感じになって、「短編アニメーションにスポットを当てる映画祭」が誕生したわけです。
 
「長編部門」は、その後にできたので、『アヌシー国際映画祭』の長編部門って、「マーケットにのりにくい作品にスポットをあてよう」みたいな文脈を薄らと引き継いでいて、なので、『ディズニーアニメ』とかがあまりノミネートされないんです。
 
 

インパクトの最大化に必要な「認知されている」ということ

 
ちなみに、世界最古・世界最大の『アヌシー国際映画祭』の長編部門でグランプリに輝いだ歴代作品は、2023年は『Chiken for Linda!』、2022年は『プチ・ニコラ』、2021年は『FLEE』なんですけども…これ、全部知らなくないですか?
 
世界一に輝いているのに。
 
ここから分かるとおり、商業アニメーションが選ばれにくい傾向にあります。
 
でも、それで言えば、「カンヌ映画祭」でグランプリに輝くような作品も、似たような傾向はあって、「商業的成功」とは別のところにある。
 
が、「カンヌ映画祭」は日本でも、結構、聞きません?
 
「おお、カンヌ獲ったんだ」となるし、「そんなに凄い作品なんだ。ちょっと観てみようかな」となったりもする。
 
ここから読み取れることは何かというと、各映画祭のコンセプトはそれぞれあっていいと思うのですが、その映画祭でグランプリを獲った時のインパクトを最大化する為には、その映画祭を認知してもらう必要がある。
 
「カンヌ映画祭」は日本では認知されてるんですよね。
 
あと、「ベネチア映画祭」も。
 
これは、黒澤明監督とか、北野武さんの影響が大きかったと思うのですが、「日本人が海外で評価されている」という打ち出し方で、上手くメディアを絡めて発信していた印象があります。
 
なので、その後、「カンヌ映画祭」や「ベネチア映画祭」で賞をとった人は、日本では「スゲー」となっている。
 
一方で「アヌシー映画祭」ですが、実は、2008年に、『つみきのいえ』という本当に素晴らしい作品がグランプリに輝いているんです。
 
ですが、日本の方が『つみきのいえ』を認識したのは「アカデミー賞」じゃないかと思います。
 
 

「M−1グランプリ」みたいに「出ます!」と表明することで…

 
ここからも分かるとおり、やっぱり、日本で知ってもらう為には、そのコンクール自体が認知されていることが大切で…だったら、コンクールに出品する際に、そのコンクールのことをもっと発信して、事前に知っておいてもらった方が良さそうじゃないですか?
 
でも、あんまり聞かないですよね?
 
「海外の、このコンクールに出品します」みたいな発信って。
 
時々、「カンヌ映画祭、出品作品!」みたいな宣伝を見かけたりしますが、作者が諸手を挙げて発信しているところはあまり見かけない。
 
理由はいくつかあると思うのですが、そのうちの大きな大きな理由の1つに、「ノミネートされなかった時に、みじめだから」というのがある。
 
傷つきたくないんです。
 
なので、いつも、事後報告になっちゃって、結果的に「ヘぇ〜、そんな映画祭があったんだ」になってしまう。
 
でも、これは「M−1グランプリ」みたいに、「今年のM−1に出ます!」と表明して、その結果に注目してもらうことが凄く大事だなぁと思うので、内心ビクビクしながら、「コマ撮り短編映画『ボトルジョージ』は今年のアヌシー国際映画祭にエントリーします」と発信させていただきます。
 
気に留めてもらえると嬉しいです。
 
 

====================
CHIMNEYTOWNのホームページを、
スマホのホーム画面(待受画面)に追加する方法
====================
 
★iPhoneの場合
→画面下にある変なマークをクリックしたら、そこに『ホーム画面に追加する』が出るので、そこをポチッと!
 
★Androidの場合
→画面右上にある「三つの点」マークをクリックしたら、そこに『ホーム画面に追加する』が出るので、そこをポチッと!
 
【注意】
LINEアプリ(たぶんFacebookアプリも)でホームページを開いてしまうと『ホーム画面に追加する』が出ないので、その場合は、Google Chromeを立ち上げて、『https://chimney.town/』を入力して、そこから、★の手順でチャレンジしてみてねー!
 
 
▼西野亮廣の最新のエンタメビジネスに関する記事(1記事=2000~3000文字)が毎朝読めるのはオンラインサロン(ほぼメルマガ)はコチラ↓
 
\メールアドレスのみで利用できるようになりました/
https://salon.jp/nishino

Salon.jp | 西野亮廣エンタメ研究所

https://salon.jp/nishino

※サロンメンバーさん同士交流される場合は今まで通りFacebookアカウントが必要です
 
 
\公式LINEができました/
▼西野亮廣 公式LINEはコチラ↓
https://lstep.app/bew62ko

シェアする