株式会社CHIMNEY TOWNと株式会社幻冬舎で『パートナーシップ契約』を締結
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ダンサー(振付師)の権利について。 | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム
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ブロードウェイクリエイターの「守られている自信」
ミュージカル『えんとつ町のプペル』のニューヨーク公演(プレゼン公演)が今月18日と19日にあるので、その準備で1月1日からニューヨークで走り回っております。
ちなみに、先月もニューヨークにいて、先々月もニューヨークにいました。
すべてミュージカル『えんとつ町のプペル』のニューヨーク公演の準備で来ているわけですが、先月、先々月は、顔見せ&契約書のアレコレで、今月はモロにクリエイティブ…といった感じです。
キャスト&スタッフは基本コッチの人間なのですが、日本から、照明演出のイジツさんと、振付け師のカオリアライブさんが来てくださっていて、ブロードウェイのクリエイターの労働文化と、日本のクリエイターの労働文化を図らずも比較する立場に置かれているわけですけども、そうすると、日本のクリエイターの“守られなさ”が結構目立つんです。
たとえば、今度のプレゼン公演の契約書を観ていると、ブロードウェイのクリエイターは、もう本当に当たり前のように、「プレゼン公演以降も私を起用すること」と契約書に書いているんです。
ぶっちゃけ、そんなの分かんないじゃないですか。
だって、今回のプレゼン公演で大した仕事をしない可能性だってあるわけで、その先の約束なんてできない。
僕らの感覚でいえば「一旦、今度のプレゼン公演での仕事っぷりを確認させてください。その先の契約はプレゼン公演が終わってから、あらためて相談させてください」といったところですよね?
まぁ、それを正直に伝えれば(「この部分を削らないと、この契約書にはサインできません」と伝えれば)、まぁ、ある程度は「オッケー」を貰って、一歩ひいてもらえるのですが、まず一歩目からグイっと踏み込んでくるのがデフォルトなんです。
契約書に関することなので、あまり詳しいことは言えませんが、とにかくアチラ側の人間は顔色変えずにグイッとくるんです。
もちろん生まれや育ちや性格もあると思うのですが、実際にブロードウェイのクリエイターと交渉していると、「守られている自信」のようなものを感じます。
ユニオン(労働組合)に所属しているクリエイターは、とくに。
そんなことは誰も言わないけれど、うっすらと流れている空気として「下手なことをしたら、ユニオンにチクりますよ」がある。
なので、ブロードウェイのクリエイターさんに対して下手なことはできないんです。
自衛が基本戦略の日本のクリエイターと違って、ブロードウェイのクリエイターさんは色んな面で守られていると感じます。
とくに「権利」に関しては凄く細かい。
「この作品がヒット(黒字化)したら、売り上げの○%はAさんに、△%はBさんに…」みたいなのが、ものすごーく細かく指定されているんです。
脚本印税、作詞印税、作曲印税…だけじゃないんです。
もっと細かく、もっとたくさんある。
もちろん、そこにツケ込む人もいるんですけども、でも、基本的にはクリエイターの権利を明らかにして、キチンとリターンを設計するのはメチャクチャ良いことだと思っています。
「振り付け」には印税がない
ミュージカル『えんとつ町のプペル』のニューヨーク公演のリハーサルは、昨日までカオリアライブさんがブロードウェイのキャストさん達に延々と振りをつけてくださっていました。
いつも一緒にやっているダンサーさん達でもなければ、言語も文化も何もかもが違う相手に、ダンスの振り付けを教えるのって絶対に大変じゃないですか?
「振り付けを教える」どころか、そもそも、その「振り付けを開発している」わけで、振付師さんの、この労力って半端ないと思うんです。
作詞・作曲と同じように、「振り付け」も著作物ですよね。
ですが、振り付けだけ印税(使われれば使われるほど、振付師にお金が入る仕組み)がない。
つい先日まで、ブロードウェイの人達と朝から晩まで権利・契約のアレやコレやをやっていたもんだから、この振付師の守られなさが目立って仕方ない。
ただ、こんなことを言うだけなら、誰でもできるので、カオリアライブさんは2025年の日本公演でも御一緒させていただくので、この機会に振付師さんの権利の見直しをしたいと思います。
舞台『テイラーバートン』で、キャストの皆さんに出演ギャラ以外に、オンライン配信チケットの印税を渡したような感じで。
こういうことって、皆、口にはしているけれど、ものの見事に誰もやらないから、僕がやります。
そんなこんなで、ニューヨークでは今日から劇場の照明の建て込みが始まります。
慣れない土地で、手探りで頑張っています。
応援宜しくお願いします。
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